特別レポート

【特別レポート】JWNET「再資源化等の情報」はなぜ準備に時間がかかる?中間処理業者の実務課題を分析

公開日:2026年9月20日/最終更新日:2026年9月20日

番外編特別レポートJWNET「再資源化等の情報」シリーズ

この記事は、操作手順の記事ではありません。JWNET「再資源化等の情報」シリーズの番外編として、2026年9月までに私(小島)へ寄せられた中間処理業者の相談・設定支援を整理した研究レポートをもとに、「なぜ準備に時間がかかるのか」を分析した特別レポートです。

画面操作の手順は、通常の連載記事で順番に解説しています。パターン種別の違いはJWNET再資源化パターンは2種類|処分終了報告用と最終処分終了報告用の違いをご覧ください。

株式会社ケイ・システムの小島です。JWNETの「再資源化等の情報」について、この連載では処分方法設定、処理後物の種類設定、処分事業場設定、パターン種別と、機能をひとつずつ解説してきました。

その一方で、処分業者・中間処理業者の方から実際にいただく相談は、「この画面のどこを押せばいいか」よりも、「講習を受けても、自社でどう設定すればよいか分からない」という内容が多いのが実情です。

制度の説明だけを読むと、入力項目がいくつか増えるだけに見えるかもしれません。しかし、実際に自社の運用へ落とし込もうとすると、処理ルート、処理後物、委託先、数量、割合の根拠といった、JWNETの画面の外にある情報を整理する必要が出てきます。

そこで今回は通常の連載を一回お休みし、私がまとめた研究レポート「電子マニフェスト『再資源化等の情報』の実務運用に関する研究」の内容を、現場の方に読みやすい形でご紹介します。

研究概要

本記事のもとになった研究の概要

テーマ
電子マニフェスト「再資源化等の情報」の実務運用
―中間処理業者の対応課題と運用を支える条件―
著者
株式会社ケイ・システム 小島啓義
作成日
2026年9月18日
分析対象
2026年9月までに小島へ寄せられた中間処理業者の相談事例・設定支援事例(匿名化)
確認した資料
環境省の施行通知、JWセンター(公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センター)のFAQ・操作マニュアル・入力の手引き、産廃管理ソフト会社の運用資料
位置付け
公式資料の確認と、個別の支援事例の整理にもとづく実務研究

本記事で紹介する件数・割合・時間は、ケイ・システムが対応した匿名化個別事例の数値です。全国平均や業界全体の統計ではありません。

この記事の読み方|3種類の情報を分けています

今回の記事では、性質の違う情報が混ざらないよう、見出しや本文に次のラベルを付けています。

公式資料環境省の施行通知、JWNETのFAQ・操作マニュアル・入力の手引き等にもとづく事実です。
個別事例ケイ・システムが対応した相談・設定支援の匿名化事例です。全国平均ではありません。
小島の見解現場相談を受けている立場からの私自身の見方・予測です。確定した事実ではありません。

※産廃管理ソフト(ASP)に関する部分は、提供会社の資料にもとづくため、システム提供会社資料のラベルで区別しています。

この記事で分かること

  • 2027年4月からの変更点を、準備の視点で押さえる方法
  • JWNETを開く前に、処理フローを整理すべき理由
  • 2次・3次以降の情報が「会社の外」にあるという課題
  • パターン数がマニフェストの件数では決まらない理由
  • 数量・単位・換算の確認が発生する背景
  • 支援事例から見えた、準備に時間がかかるポイント
  • 今から始められる準備の10ステップ

まず結論(30秒)

2027年対応で時間がかかるのは、JWNETの画面操作そのものよりも、画面に入力する前の「処理ルートと根拠データの整理」です。準備は、次の順番で進めると迷いにくくなります。

  1. 処理フロー整理
  2. 処理後物の確認
  3. 2次・3次委託先の確認
  4. 基本設定
  5. パターン作成
  6. 数量・割合の根拠
  7. テスト
  8. 実運用

最重要ポイント:「機能があること」と「実際に運用できること」は別です。システムは、処理ルートの整理や割合の根拠づくりまでは自動で行ってくれません。

「処理フローを書き出したことがない」「2次処理先を一覧にできていない」という段階でも構いません。LINEで現在の状況をお送りいただくだけで、何から整理すればよいかを一緒に確認します。

目次
  1. 2027年4月から何が変わるのか
  2. 一番最初にやることは「JWNETへの入力」ではない
  3. 中間処理業者で難しいのは2次・3次以降の把握
  4. パターン作成は「処理ルートの型」を作る作業
  5. 数量設定で問題になる「基準重量」と換算
  6. 実例|397件を整理すると25パターンになった
  7. 約3割で数量・換算の確認が必要だった
  8. 2次以降の情報は自動で集まるわけではない
  9. JWNETと産廃管理ソフトの両方を確認するケースもある
  10. 初期対応に20~30時間以上かかるケースも
  11. 「機能がある」と「運用できる」は違う
  12. 処分業者が今から準備したいこと
  13. ケイ・システムが支援できる範囲
  14. 研究レポート全文を公開しています
  15. 今後、問い合わせが増える可能性について
  16. よくある質問
  17. まとめ

2027年4月から何が変わるのか

公式資料廃棄物処理法施行規則の改正(2025年4月22日公布)により、2027年4月1日から、電子マニフェスト(JWNET)で「再資源化等の情報」の報告が必須になります。処分業者は、最終処分または再生に至るまでの処分について、主に次の情報を報告します。

  • 処分業者の名称と許可番号
  • 処分事業場の名称と所在地
  • 処分方法
  • 処分方法ごとの処分量
  • 処理後物の種類と量

入力のタイミングは、自社で処分が完了する場合は「処分終了報告(最終)」、2次処理以降がある場合は「最終処分終了報告」です。2027年4月1日以降は、再資源化等の情報が未入力のままでは、これらの報告を完了できません。報告期限(いわゆる3日ルール)は変わりません。また、1次マニフェストが電子であれば、2次以降が紙マニフェストであっても報告の対象になります。

罰則について:環境省の施行通知では、今回追加される「最終処分に係る情報」の報告について、廃棄物処理法第27条の2第10号による罰則は適用されないとされています。ただし、JWNETのFAQでは、割合等は排出事業者や自治体へ説明できる根拠が必要とされています。また、以前から報告義務のある最終処分日や場所等に虚偽等があれば、従来どおり罰則が問題となり得ます。「罰則がないから適当でよい」ということではありません。

制度の詳しい説明は、これまでの連載記事で扱っています。今回の記事で考えたいのは、この制度を自社の毎日の運用に乗せるまでに、何が必要になるかです。

一番最初にやることは「JWNETへの入力」ではない

研究レポートで最初に強調したのは、ここです。2027年対応の第一歩は、JWNETの設定画面を開くことではなく、自社の処理フローを整理することです。

廃棄物ごとに、次の4つを書き出します。

  1. Q1|何を受け入れる?受託する廃棄物の種類例:混合廃棄物、木くず、がれき類 など
  2. Q2|自社で何をする?自社で行う処分方法例:破砕、選別、圧縮 など
  3. Q3|何が生じる?処理後物の種類例:金属くず、再生砕石、残渣 など
  4. Q4|その後どこへ行く?2次・3次以降の委託先と、その先の処分例:再生事業者、焼却施設、最終処分場 など

※上記の品目・処分方法は説明のための例です。特定の会社や案件を示すものではありません。

これが書き出せていないままJWNETの画面を開くと、「処分方法は何を選ぶのか」「処理後物をどう分けるのか」「どの処分業者を後工程に入れるのか」で、入力の途中で手が止まってしまいます。

公式資料2026年9月11日、JWNET公式サイトに「ゼロからはじめる!『再資源化等の情報パターン』の作成」のページが掲載されました。リーフレット、整理表作成ガイド、整理表ひな形、パターン設定ガイドが公開されており、JWNET内で基本設定・パターン作成を行う前に「情報整理」を行う流れが示されています。

JWNET公式側も、パターン作成前の情報整理を重視していることが分かります。整理表ひな形は、処理フローを書き出す際の入口として活用できます。(JWNET公式ページ)

中間処理業者で難しいのは2次・3次以降の把握

自社で処分が完了する品目であれば、必要な情報の多くは社内にあります。難しくなるのは、2次・3次以降へ委託している品目です。

中間処理業者は、自社の処理だけでなく、委託先で行われる処理まで把握して報告する必要があります。つまり、報告に必要な情報の一部が、自社の外にあるということです。

※スマートフォンでは、表を左右にスクロールできます。

確認する資料・相手確認する内容実務で起きやすいこと
2次処分業者業者名、許可番号、処分事業場、処分方法品目によって委託先が複数あり、一覧になっていない
3次以降の処分先最終処分・再生に至るまでの流れ2次処分業者の先がどこか、社内で把握していない
許可証の写し許可番号、事業範囲、有効期限更新後の写しが手元になく、古い情報のまま
委託契約書委託先、廃棄物の種類、処分方法契約書と実際の処理ルートが一致しているか確認が必要
既存の台帳・帳簿品目ごとの搬出先、実績担当者ごとに管理方法が異なり、集約に時間がかかる

公式資料JWNETの資料では、2次・3次の委託先の情報は、委託契約書や許可証の写し、委託先からの情報提供で確認するとされています。委託先へ問い合わせて回答を待つ時間が発生するため、社内だけで完結する作業より日数がかかりやすい部分です。

パターン作成は「処理ルートの型」を作る作業

基本設定(処分方法設定、処理後物の種類設定、処分事業場設定)が終わると、次は「再資源化等の情報パターン」の作成です。

パターンとは、処理ルートと各段階の割合をあらかじめ登録しておく「型」のようなものです。報告のたびにゼロから入力しなくて済むよう、よく使う処理ルートを型として登録しておきます。

重要:1品目=1パターンとは限りません

公式資料JWNETのFAQでは、最終処分場を含め処理ルートが異なれば、別のパターンが必要とされています。

たとえば同じ品目でも、「A社へ委託する場合」と「B社へ委託する場合」で処理後の行き先が違えば、パターンは分けて考える必要があります。逆に、受託廃棄物の種類が異なっていても、処分方法、その割合、処理後物の種類などパターンに設定する内容がすべて同じであれば、1つのパターンを活用できる場合があります。

つまり、パターンを作る作業は、画面へ入力する作業である前に、「自社には何通りの処理ルートがあるのか」を数える作業です。ここが整理できると、必要なパターンの数が見えてきます。

パターンの種別(「処分終了報告」用と「最終処分終了報告」用)の違いはパターン種別の解説記事で、パターンへ入れる情報の全体像はJWNET「再資源化等の情報パターン」の作り方で解説しています。

数量設定で問題になる「基準重量」と換算

公式資料処分量や処理後物の量は実測が原則ですが、中間処理では実測が難しいため、「基準重量」(受け入れた廃棄物の重量)にパターンの割合を掛けて算出する方法が用意されています。

公式資料JWNETのWeb方式では、「基準重量」は受入量、運搬量、排出事業者が登録した数量の順で自動的に選択されます。選択された数量がm³、リットル、個・台の場合は、設定された重量換算係数を用いてkgに換算されます。EDI方式や産廃管理ソフトを利用する場合は、入力・連携方法が異なることがあるため、利用しているシステムの仕様も確認してください。

ここで確認が必要になるのが、マニフェストに登録されている数量の単位です。

※スマートフォンでは、表を左右にスクロールできます。

数量の単位確認が必要になる理由確認先の例
kg・t重量のため、基準重量として使いやすい。ただし受入量の登録漏れがないかは確認が必要計量記録、受入台帳
m³体積のため、重量へ換算する係数が必要になる換算係数の設定、過去の計量実績
個・台1個・1台あたりの重量を決めておく必要がある品目ごとの重量実績、仕様書
空欄数量そのものが入っていないため、基準重量の元になる数値がない受入記録、運搬業者・排出事業者への確認

公式資料また、割合は帳簿や売却実績など、過去の実績から合理的に設定することとされています。「なんとなく7割くらい」ではなく、説明できる根拠を用意する必要があります。

割合と基準重量の具体的な計算の仕組みは、連載の後半(9月29日公開予定)で詳しく解説します。今回は、「単位がそろっていないと、数量整理の段階で確認作業が発生する」という点だけ押さえておいてください。

実例|397件を整理すると25パターンになった

ここからは、研究レポートで取り上げた支援事例をご紹介します。

個別事例ケイ・システムが対応した匿名化個別事例

397件整理した電子マニフェストの実績

25件作成すべきと判断したパターン

この数値は、ケイ・システムが支援した1社の事例です。全国平均ではなく、パターン数は会社ごとの品目構成、処分方法、委託先の数によって大きく変わります。

この会社では、電子マニフェストの実績397件を1件ずつ確認し、「どの品目が、自社でどう処理され、何が生じ、どこへ行くのか」を整理しました。その結果、作成すべきパターンは25件に集約されました。

この事例から分かるのは、パターンの数はマニフェストの件数では決まらず、処理ルートの数で決まるということです。397件のマニフェストが397通りの処理ルートを持っているわけではありません。一方で、25という数は、実績を1件ずつ確認して初めて見えてきた数字でもあります。

実績を並べてみると、「同じ品目なのに、実は委託先が2か所に分かれていた」「担当者によって品目名の書き方が違っていた」といったことが見つかります。パターン数を確定させる作業は、そのまま自社の処理ルートを見える化する作業にもなります。

約3割で数量・換算の確認が必要だった

同じ397件の事例で、もうひとつ時間がかかったのが数量の確認です。

個別事例上記397件と同一の事例

約3割受入量の単位・数量について換算係数等の確認が必要だった実績の割合
m³個台空欄

「約3割」は、この個別事例(397件)における比率です。業界全体や処分業者一般の割合を示すものではありません。

この事例では、実績の約3割について、受入量がkg以外(m³、個、台)で登録されていたり、空欄だったりしました。これらは基準重量として使う前に、換算係数や実際の数量を確認する必要があります。

単位が混在していること自体は、現場の運用上めずらしいことではありません。容積で受け入れる品目や、台数で管理する品目があるのは自然なことです。ただ、2027年以降は重量ベースで数量を説明する場面が増えるため、どの品目をどの係数で換算するのかを、あらかじめ社内で決めておく必要があります。

2次以降の情報は自動で集まるわけではない

相談の中でよく聞くのが、「電子マニフェストなら、2次処理先の情報も自動でつながるのでは?」という声です。

公式資料JWNETのFAQでは、2次以降の処分業者が入力した情報が1次マニフェストへ自動で紐付く機能はないとされています。2次以降の処理の情報は、1次マニフェストの処分業者が、委託契約書や許可証の写し、委託先からの情報提供等をもとに把握し、パターンとして登録しておく必要があります。

また、従来行ってきた1次マニフェストと2次マニフェストのひも付け作業も、帳簿の備付け等のため、引き続き必要とされています。

「電子だから全部自動」ではありません。電子化によって楽になる部分は確かにあります。ただし、委託先の情報をそろえる、契約書と実際の処理ルートを照らし合わせる、変更があれば更新する、といった作業は人が行う必要があります。

JWNETと産廃管理ソフトの両方を確認するケースもある

JWNETを直接操作するのではなく、産廃管理ソフト(ASP)を通じて電子マニフェストを運用している会社もあります。

システム提供会社資料使用する産廃管理ソフトによっては、ソフト側にも再資源化等の情報に関するマスター設定等が必要になります。今回確認した株式会社エスエムエスの運用資料でも、ソフト側での設定が案内されています。

個別事例私が支援した中では、JWNETと産廃管理ソフトの双方で設定・確認が必要となる場合、作業量が大きく増え、ケースによっては倍に近い作業量になることもありました。

確認のポイント:作業量がどの程度増えるかは、使用している製品、連携の仕組み、社内の運用によって異なります。すべての会社で倍になるわけではありません。産廃管理ソフトを利用している場合は、ソフト側で必要な設定と、JWNET側で必要な設定を、提供会社の資料で早めに確認しておくことをおすすめします。

初期対応に20~30時間以上かかるケースも

研究レポートでは、相談・設定支援にかかる時間も整理しました。数字だけが独り歩きしないよう、前提と一緒にご紹介します。

個別事例小島の相談記録(匿名化)にもとづく個別案件

約40分電話で制度の総論を説明するのにかかった時間の例
2~3日処理フロー確認から操作説明まで行った場合の例
20~30時間以上個別案件で見積もられた初期対応の例

ケイ・システムが対応した個別事例では、初期対応に20~30時間以上を要すると見積もられるケースもありました。3つの数値はいずれも個別事例であり、全国平均ではありません。所要時間は、品目数、委託先の数、資料の整い方、産廃管理ソフトの有無によって大きく変わります。

「電話で少し教えてほしい」というご相談をいただくことがあります。ところが、制度の総論をきちんとお伝えしようとすると、電話だけでも約40分かかります。報告のタイミング、2次以降の扱い、基準重量と割合、パターンの考え方と、どれも前提を省くと誤解につながりやすいためです。

しかも、ここまではまだ「総論」です。実際に時間がかかるのは、その後に続く、会社ごとの「各論」です。

※スマートフォンでは、表を左右にスクロールできます。

作業内容時間がかかりやすい理由
総論説明制度の概要、報告のタイミング、必要な準備電話での説明でも約40分かかった例がある。担当者が複数いると繰り返しが必要
処理フロー確認品目ごとの処分方法、処理後物、委託先の整理実績の確認と、社内・委託先への問い合わせが発生する
基本設定処分方法、処理後物の種類、処分事業場の登録許可証・契約書との照合が必要になる
パターン作成処理ルートごとの型と割合の登録割合の根拠資料をそろえる必要がある
テスト実際のマニフェストで入力・報告の流れを確認数量や単位のずれが見つかると、前の工程へ戻る
操作説明日常の担当者への説明、手順書の整備担当者の交代や休みに備え、複数名への説明が望ましい

この時間は、JWNETの操作が難しいからかかるのではありません。操作の前にそろえる情報が多く、その情報が社内外に散らばっているからかかるのです。

「機能がある」と「運用できる」は違う

研究レポートの結論は、この一文に集約されます。

研究レポートの結論

「機能があること」と「実際に運用できること」は別である。

JWNETには、パターンを選べば数量が自動で計算される便利な機能が用意されています。ただし、その機能を使うための前提は、システムの外で整える必要があります。

システムが助けてくれること

  • パターンを選ぶと、基準重量に割合を掛けた量が自動入力される
  • 基準重量が受入量等から自動で選択される(Web方式)
  • 設定した重量換算係数でm³・個・台等をkgに換算する(Web方式)
  • 一度登録したパターンを繰り返し使える

※基準重量の自動選択と重量換算は、JWNETのWeb方式の場合の仕組みです。EDI方式や産廃管理ソフトでは、入力・連携方法が異なることがあります。

自動では整わないこと

  • 自社の処理ルートを整理すること
  • 割合の根拠となる実績をそろえること
  • 2次・3次の委託先の情報を集めること
  • 担当者の分担と確認先を決めること
  • 担当者への説明と、定期的な見直し

公式資料JWNETのFAQでも、廃棄物の性状が季節等で変われば実態とずれるため、パターンの定期的な見直しが推奨されています。一度作って終わりではなく、運用しながら整え続ける仕組みが必要です。

ケイ・システムが大切にしている考え方は、「入力できる状態をつくる」ことです。入力作業そのものより、入力に必要な情報がそろい、誰が担当しても同じ手順で進められる状態を整えることが、2027年対応の本質だと考えています。

処分業者が今から準備したいこと

ここまでの内容を、準備の手順として10ステップにまとめました。JWNETの操作手順ではなく、操作の前にそろえておきたい準備の順番です。まずは主要な1品目から始めると、進め方がつかみやすくなります。

  1. 対象となる品目を洗い出す過去の電子マニフェスト実績から、受託している廃棄物の種類を一覧にします。
  2. 品目ごとの処理フローを書き出す受け入れ→自社の処分→処理後物→その後の行き先を、品目ごとに整理します。
  3. 処理後物を確認する処理後物を「廃棄物」と「再資源化物」に分けて整理します。有価物にあたるかどうかは個別事情によるため、必要に応じて行政・専門家へ確認します。
  4. 2次・3次の委託先を一覧にする業者名、許可番号、処分事業場、処分方法を、契約書・許可証の写しと照らし合わせます。
  5. 委託先へ確認が必要な情報を依頼する社内で分からない後工程の情報は、早めに委託先へ問い合わせます。回答待ちの時間を見込んでおきます。
  6. 受入量の単位を確認するkg以外(m³・個・台)や空欄の実績がどれくらいあるかを確認し、換算の考え方を決めます。
  7. 割合の根拠資料をそろえる帳簿、売却実績、計量記録など、割合を説明できる資料を品目ごとに用意します。
  8. パターン候補を整理する処理ルートごとに必要なパターンを数え、名称のルールも決めておきます。
  9. 1品目で設定からテストまで行う基本設定→パターン作成→テスト報告までを1品目で試し、つまずく箇所を確認します。
  10. 担当分担と見直しの時期を決める誰が設定・報告・見直しを担当するかを決めます。産廃管理ソフトを使っている場合は、ソフト側の設定担当も確認します。

ケイ・システムが支援できる範囲

ケイ・システムは、JWNETへの入力を代わりに行うだけの会社ではありません。入力の前段階にある資料整理、情報確認、関係者への連絡・確認・とりまとめから支援し、「入力できる状態をつくる」ところまでお手伝いします。

  • マニフェスト実績の整理品目・数量・委託先の一覧化
  • 処理フローの整理品目ごとの処理ルートの見える化
  • 処理後物の整理処理後物の種類と区分の確認
  • 2次・3次委託先の整理後工程の業者・事業場の一覧化
  • 契約書・許可証の確認処理ルートとの照合
  • 処分業者への確認後工程の情報の問い合わせ
  • 収集運搬業者への確認数量・単位・運搬情報の確認
  • 下請け業者への確認現場側の情報の確認・回収
  • 数量・換算の確認m³・個・台・空欄の整理
  • パターン候補の整理必要なパターン数と名称ルール
  • JWNETの設定基本設定・パターン登録の支援
  • 産廃管理ソフトの確認ソフト側で必要な設定の確認
  • 操作説明担当者への説明・手順書づくり
  • 定期的な見直し割合・委託先の変更の反映

紙マニフェストと電子マニフェストが混在している会社や、受渡確認票・写真・LINEで情報が届く会社でも、今ある資料から整理を始められます。紙や写真の情報を実務データへ整える人間OCRの考え方で、現場のやり方を大きく変えずに進めます。

ケイ・システムは、お客様から付与された権限と合意した範囲で支援を行います。処理後物が有価物にあたるかどうかの判断や、許可内容・法令上の判断を代わりに行うものではありません。確認に必要な資料と確認先を整理し、判断・設定へ進める状態を整えます。

研究レポート全文を公開しています

RESEARCH REPORT

電子マニフェスト「再資源化等の情報」の実務運用に関する研究

―中間処理業者の対応課題と運用を支える条件―

  • 著者株式会社ケイ・システム 小島啓義
  • 作成2026年9月18日
  • 構成序論/本論(制度上の要件、処理フローの整理と基本設定、パターン作成と数量の設定、二次・三次処理と報告・見直し、支援体制の現状)/結論

環境省の施行通知と、JWセンターのFAQ・操作マニュアル・入力の手引きを確認したうえで、2026年9月までに寄せられた中間処理業者の相談事例と設定支援事例を分析し、準備の手順と課題を整理したレポートです。本記事は、このレポートの内容を現場の方向けに分かりやすく再構成したものです。

レポート内の事例・数値は、いずれも小島の相談記録(匿名化)にもとづく個別事例であり、全国平均ではありません。

※PDFファイルが開きます。ダウンロードして保存・印刷することもできます。

今後、問い合わせが増える可能性について

小島の見解ここからは、公式の見解ではなく、現場相談を受けている立場からの私自身の見方です。確定した事実ではないことをご承知おきください。

2026年9月時点で、私のもとには5~6社からご相談をいただいています。一方で、義務化をまだ身近に感じていない処分業者の方も多いように感じます。

私自身は、今回の改正は電子マニフェストが始まって以来でも大きな実務変更のひとつになる可能性があると見ています。そのため、実際に報告が始まった後、2027年度後半から2028年初頭にかけて、問い合わせが重なったり、運用上の迷いが表面化したりする可能性があると考えています。

これはあくまで予測です。ただ、本記事で見てきたように、準備の中心が「情報の整理」である以上、早めに1品目から始めておくことで、施行後の負担を分散しやすくなることは確かだと考えています。

よくある質問

2027年4月になってから設定を始めても間に合いますか?

設定の操作自体は短時間で済む場合もあります。ただし、本記事で紹介したように、処理フローの整理、委託先への確認、割合の根拠づくりには日数がかかることがあります。施行前に準備を済ませ、テスト報告まで行っておくと安心です。まずは主要な1品目から始めることをおすすめします。

JWNETの操作方法だけ覚えればよいですか?

操作方法を覚えることは必要ですが、それだけでは運用できません。何を入力するかを決めるための情報(処理ルート、処理後物、委託先、割合の根拠)を先にそろえる必要があります。

2次以降の処分業者の情報は、自動で取得できますか?

JWNETのFAQでは、2次以降の処分業者が入力した情報が1次マニフェストへ自動で紐付く機能はないとされています。委託契約書、許可証の写し、委託先からの情報提供等で確認し、パターンに登録しておく必要があります。最新の仕様はJWNET公式資料でご確認ください。

受入量がm³・個・台で登録されている場合はどうなりますか?

JWNETのWeb方式では、基準重量として選択された数量がm³、リットル、個・台の場合、設定された重量換算係数でkgに換算する仕組みがあります。EDI方式や産廃管理ソフトを利用している場合は、利用しているシステムの仕様もご確認ください。ただし、どの品目をどの係数で換算するかは、自社の実績をもとに決めておく必要があります。空欄の場合は、元になる数量そのものを確認する必要があります。計算の詳しい仕組みは、連載の割合・基準重量の記事で解説する予定です。

1品目につき1パターンを作ればよいですか?

1品目=1パターンとは限りません。同じ品目でも、委託先や最終処分場など処理ルートが異なれば、別のパターンが必要になります。逆に、受託廃棄物の種類が異なっていても、処分方法、その割合、処理後物の種類などパターンに設定する内容がすべて同じであれば、1つのパターンを活用できる場合があります。

準備にはどのくらいの時間がかかりますか?

会社ごとに大きく異なります。ケイ・システムが対応した個別事例では、電話での総論説明だけで約40分、各社の処理フロー確認からパターン作成、テスト、操作説明まで行うと2~3日程度を要した例や、初期対応に20~30時間以上を要すると見積もられた例がありました。いずれも個別事例であり、全国平均ではありません。

何も整理できていない状態でも相談できますか?

はい、ご相談いただけます。マニフェストの実績、契約書、許可証の写しなど、今ある資料を確認しながら、何から整理すればよいかを一緒に決めていきます。LINEで現在の状況をお送りいただくところからでも構いません。

まとめ

制度上は、報告の画面に入力項目がいくつか増えるように見えます。しかし、実際の会社運用では、処理ルート、処理後物、委託先、数量、根拠データの整理が必要になります。

研究レポートで整理した支援事例でも、397件の実績から25のパターン候補を導き出す作業や、約3割の実績で数量・換算を確認する作業など、時間の多くは「画面の外」の整理にかかっていました(いずれも個別事例です)。

  1. JWNETへ早く入力することが目的ではない
  2. 入力に必要な情報を整理する
  3. 入力できる状態をつくる

2027年対応は、1品目の処理フローを書き出すところから始められます。

次回予告|9月22日公開予定

JWNET「処分終了報告用」再資源化パターンの設定手順|自社完結ケース

通常の連載に戻り、自社で処分が完了するケースのパターン設定を、画面に沿って解説します。その後、9月24日には後工程を追加する「最終処分終了報告用」パターン、9月29日には割合と基準重量の仕組みを取り上げる予定です。

2027年対応、JWNETを開く前の情報整理からご相談ください

株式会社ケイ・システムは、産廃・解体業界に特化した事務代行・バックオフィス支援を行っています。次のような段階でもご相談いただけます。

  • 何から始めればいいか分からない
  • 2次・3次処理先を一覧化できていない
  • 処理後物が整理できていない
  • 受入量にm³・個・台の実績がある
  • 割合の根拠がそろっていない
  • 必要なパターン数が分からない
  • 産廃管理ソフト(ASP)も使っている
  • 日常業務と並行して準備を進められない

入力作業だけでなく、必要な情報の整理、関係者への確認、回答のとりまとめまで行い、入力できる状態をつくるところからお手伝いします。

株式会社ケイ・システム 〒242-0028 神奈川県大和市桜森2-3-15 三井ビル101
サービス内容は電子マニフェスト代行、産廃・解体に特化した事務代行のページをご覧ください。

監修・執筆・免責

株式会社ケイ・システム 代表取締役 小島啓義
※画像をクリックすると代表ごあいさつページが表示されます。

監修・執筆/研究レポート著者

小島啓義(代表取締役)

株式会社ケイ・システム(神奈川県大和市)

ケイ・システムは、解体・産廃業界に特化したバックオフィス構築支援を行っています。代表自身が、かつて17万5,000枚を超える紙マニフェストと向き合ってきた経験をもとに、現場の負担をできるだけ変えず、会社に残る事務の仕組みづくりを支援しています。本記事は、小島自身がまとめた研究レポート「電子マニフェスト『再資源化等の情報』の実務運用に関する研究」(2026年9月18日作成)をもとに執筆しています。

免責:本記事は、2026年9月時点で確認した環境省の施行通知、JWNET公式サイト「電子マニフェストの項目追加/再資源化等の情報」、「再資源化等の情報に関するFAQ」、「再資源化等の情報 操作マニュアル 暫定版Ver.2.0【処分業者向け】」、「『再資源化等の情報』入力の手引き」および2026年9月11日掲載の「ゼロからはじめる!『再資源化等の情報パターン』の作成」の公開情報をもとに、実務目線で整理した一般的な情報です。JWNETの画面、入力項目、仕様、制度、運用方法等は変更される可能性があります。実際の設定・報告にあたっては、最新のJWNET公式サイト、操作マニュアル、FAQを必ずご確認ください。株式会社ケイ・システムはJWNETの運営者ではありません。個別の許可内容や法令上の判断については、所管行政庁または専門家へご確認ください。処理後物が有価物にあたるかどうかの判断は、個別の事情によって異なります。

本記事で紹介した397件、25パターン、約3割、約40分(電話での総論説明)、2~3日、20~30時間以上、5~6社等の数値は、いずれもケイ・システムが対応した相談・設定支援の匿名化個別事例にもとづくものであり、全国平均や業界全体の統計ではありません。また、将来の問い合わせ増加等に関する記述は小島の見解・予測であり、確定した事実ではありません。

参考文献

  • 環境省「廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則の一部を改正する省令の施行について(通知)」環循規発第2512221号、2025年12月22日(PDF・JWNET公式サイト掲載)
  • 公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センター「再資源化等の情報 説明会でよくあるご質問と回答(FAQ)」2025年12月(PDF)※No.6、8、10、11、12、17、26、29、30、33、34、38を参照しています。
  • 公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センター「電子マニフェストシステム 再資源化等の情報 操作マニュアル 暫定版Ver.2.0【処分業者向け】総合版」2026年4月(PDF)
  • 公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センター「『再資源化等の情報』入力の手引き」2026年4月改訂(PDF)
  • JWNET公式「電子マニフェストの項目追加/再資源化等の情報」(https://www.jwnet.or.jp/jwnet/about/tsuika/index.html)
  • JWNET公式「ゼロからはじめる!『再資源化等の情報パターン』の作成」2026年9月11日掲載(https://www.jwnet.or.jp/jwnet/about/tsuika/add_pattern/index.html)※リーフレット、整理表作成ガイド、整理表ひな形、パターン設定ガイドを掲載
  • 株式会社エスエムエス「SMS-ASP『JWNET再資源化等の情報』運用方法」2026年6月(株式会社エスエムエス公式サイト)
  • 小島啓義「電子マニフェスト『再資源化等の情報』の実務運用に関する研究―中間処理業者の対応課題と運用を支える条件―」株式会社ケイ・システム、2026年9月18日(PDF)
  • 小島啓義「現場相談・導入相談記録(匿名化)」非公刊

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