公開日:2026年9月12日/最終更新日:2026年9月17日
この記事は、産業廃棄物の処分業者の方へ向けた今週の総括です。今週公開した「処分方法設定」と「処理後物の種類設定」の2本を振り返り、JWNETの基本設定で混同しやすい「処分方法=処理の工程」と「処理後物=その工程の結果として生じる物」の違いを整理します。
「処分方法と処理後物の違いが説明できない」「どちらから設定すればよいか分からない」「委託先に何を聞けばよいか整理したい」という段階の方が、次の設定へ進むために何を確認しておけばよいかが分かる内容です。
今週は、2027年4月1日からの「再資源化等の情報」の入力必須化に向けた基本設定として、次の2つを取り上げました。
- 処分方法設定:自社から最終処分までに行われる処理工程を設定する
- 処理後物の種類設定:各工程の結果として生じる廃棄物・再資源化物を設定する
どちらも「再資源化等の情報」を登録するための準備ですが、役割は異なります。先に結論を示すと、処分方法は「何をしたか」、処理後物は「その結果、何が生じたか」です。この2つを分けて整理できれば、基本設定と、その後のパターン作成が理解しやすくなります。
この記事では、今週公開した2記事の要点を振り返りながら、両者の違い、設定の順番、事前に集める情報、よくある混同をまとめます。個別の操作手順は各記事へゆずり、ここでは「どちらの話なのか」を見分けられる状態をつくることを目的とします。
今週の要点:受け入れた廃棄物から処理後物までの流れを、「処分方法=工程」「処理後物=結果物」に分けて書き出すことが、JWNET基本設定の第一歩です。
この記事で整理すること
- 処分方法と処理後物の違い(工程と結果物)
- 今週公開した2記事の要点
- 2つを混同しないための整理方法
- 基本設定からパターン作成までの順番
- 設定前に集める情報のチェックリスト
- 現場で起こりやすい5つの混同と見直し方
まず結論|工程と結果物を分けて書き出す
- 処分方法は「どのような処理を行ったか」という工程です。受け入れた廃棄物を複数の処分方法で処分する場合、[処分1]から[処分4]まで最大4つを選択できます。
- 複数の工程を設定した場合は、主たる処分方法を一つ指定します。公式マニュアルの判断基準は、処理後物の性状に最も影響を与える処分方法です。処理の順番では決めません。
- 処理後物は「その処理の結果、何が生じたか」という発生物です。画面の[種別]は「廃棄物」「再資源化物」の2つで、該当する分類コードにチェックを入れて一覧へ追加します。
- 処分方法と処理後物は関連しますが、必ず一対一になるとは限りません。工程名と発生物名を同じ一覧で管理しないことがポイントです。
- 処分方法設定と処理後物の種類設定では、自社だけでなく、最終処分されるまでの下流工程についても確認が必要です。自社の工程を登録して終わりではありません。
「処理の流れは説明できるが、JWNETの設定項目へどう落とし込むか分からない」という段階でも構いません。LINEから状況をお送りいただくだけで、確認すべき資料と問い合わせ先の整理からご相談いただけます。
目次
まず押さえたい「工程」と「結果物」の違い
JWNETの設定項目を、受け入れから処理後物までの流れに沿って並べると、次のようになります。
出発点
受入廃棄物
受け入れた時点の廃棄物の種類と状態を確認します。
工程
処分方法1〜4
実際に行う処理の工程です。複数の処分方法で処分する場合は、最大4つまで選択できます。
この中から「主たる処分方法」を1つ指定します。
選ぶ基準は、処理後物の性状に最も影響を与える処分方法です。別に行う工程ではなく、選択した処分方法のうち1つを指定する項目です。
結果物
処理後物
処理の結果として生じる廃棄物・再資源化物です。種別と分類コードを選んで登録します。
※実際の処理工程数や処理後物の数は、事業場や処理フローによって異なります。上の図は設定項目の関係を示す概念図であり、特定の処理を表すものではありません。
この関係を項目ごとに比べると、両者の役割の違いがはっきりします。
※スマートフォンでは、表を左右にスクロールできます。
| 比較項目 | 処分方法 | 処理後物 |
|---|---|---|
| 表すもの | どのような処理を行ったか | 処理の結果として何が生じたか |
| 整理の視点 | 工程・処理行為 | 発生物の種類・状態 |
| 主な設定内容 | 処分1〜処分4、主たる処分方法、表示名 | 種別、分類コード、細分類コード、独自名称 |
| 選択時の基準 | 実際の処理工程と、処理後物の性状への影響 | 実際に生じる物の状態、用途、その後の流れ |
| 公式資料での位置 | 操作マニュアル7〜10ページ | 操作マニュアル11〜13ページ |
処分方法と処理後物は関連しますが、同じ項目ではありません。また、一つの処分方法に対して処理後物が必ず一つとは限らないため、「工程名」と「発生物名」を同じ一覧で管理しないことがポイントです。混ざったまま管理すると、後から見直すときに、どの行が工程で、どの行が発生物なのかを判別できなくなります。
3つの基本設定の全体像は、次の記事で整理しています。
今週の記事1|「処分方法設定」で登録するもの
1本目|9月8日公開
JWNET処分方法設定のやり方|主たる処分方法の選び方と最大4つの登録手順
「処分方法設定」では、自社および最終処分されるまでのすべての処分事業場で行われる処理工程を設定します。基本的には処分業許可の範囲内で、実際に行っている処理を登録します。
要点1 処分方法は最大4つまで選択する
受け入れた廃棄物を複数の処分方法で処分する場合、画面の[処分1]から[処分4]までに、該当する処分方法を選択できます。
ここで重要なのは、候補を多く登録することではありません。実際に行われている工程を、処理の順序と内容に沿って整理することです。「最大4つ」は「必ず4つ」ではないため、実際には行っていない処分方法を枠を埋めるために追加しないでください。
要点2 「主たる処分方法」を一つ選ぶ
複数の工程を設定した場合は、[主たる処分方法]を指定します。公式マニュアルでは、処理後物の性状に最も影響を与える処分方法を選択すると説明されています。
単純に最初の工程、最後の工程、処理時間の長い工程を選ぶのではなく、処理後物がどのような状態になるかという視点で確認します。結果としてそれらが一致することはありますが、判断の軸はあくまで処理後物の性状への影響です。
要点3 必要に応じて表示名を編集する
処分方法一覧の編集機能から、普段使用している処分方法の名称や、許可証の記載に合わせて表示名を編集できます。
ただし、表示名を分かりやすくしても、選択した処分方法そのものが変わるわけではありません。元の設定内容と対応が追える名称にしてください。

処分方法設定の操作手順、処分1〜処分4の考え方、主たる処分方法の判断基準は、9月8日公開の記事で詳しく解説しています。
今週の記事2|「処理後物の種類設定」で登録するもの
2本目|9月10日公開
JWNET「処理後物の種類設定」のやり方|分類コードと細分類の選び方
「処理後物の種類設定」では、自社および最終処分されるまでのすべての処分で発生する処理後物の種類を、一覧から選択して設定します。登録の対象は、自社の工程で生じる物だけではありません。
要点1 最初に「廃棄物」「再資源化物」の種別を選ぶ
操作画面の[種別]は「廃棄物」と「再資源化物」の2つです。一方、JWNET公式の入力の手引きでは、この論点を「再資源化物、中間処理後廃棄物」の選択として整理しています。
つまり、画面上の「廃棄物」を選ぶ場面には、処理後も廃棄物として次の処理・最終処分へ進む中間処理後廃棄物の考え方が含まれます。名称の印象だけで決めず、処理後物の実際の状態、用途、引渡し後の流れを確認してください。
要点2 該当する分類コードを選び、一覧へ追加する
種別を選択すると、大分類名称・中分類名称・処理後物の種類・分類コードが並ぶ一覧が表示されます。該当する処理後物の[分類コード]欄にチェックを入れ、「一覧へ追加」をクリックします。
公式の手引きでは、処理後物の大分類・中分類・小分類は、それぞれ2桁の計6桁で構成されています。JWNETの画面では、先に「廃棄物」「再資源化物」の種別を選択し、一覧から該当する処理後物の分類コードを選択します。なお、処理後物分類コード全体では、種類種別1桁+大・中・小分類6桁+細分類3桁の計10桁で構成されます。
似た名称があるときは、JWNETの「分類区分選択の考え方」と最新の「各種コード表」で、定義と該当例を確認してください。
要点3 細分類コードと独自名称は必要に応じて設定する
細分類コードの設定は任意で、設定する場合は半角数字3桁です。また、一覧の「種類設定」アイコンから、種類名称を独自の名称にできます。
細分類コードは、先に触れた処理後物分類コード10桁のうち、末尾3桁に当たる部分です。独自設定しない場合は「000」となります。独自名称や細分類コードは現場で分かりやすくするための補助として使い、元の分類との対応が分からなくならないよう、社内ルールを決めておきましょう。

処理後物の種類設定の操作手順、分類コードの選び方、細分類コードと独自名称の使い分けは、9月10日公開の記事で詳しく解説しています。
2つの設定を混同しない整理方法
処分方法と処理後物が混ざってしまう場合は、1行にすべてを書こうとせず、処理フローを次の3つに分けて書き出してください。
※スマートフォンでは、表を左右にスクロールできます。
| 順番 | 整理する情報 | 確認資料 |
|---|---|---|
| 1 | どの事業場で処理するか | 契約書、許可証、委託先情報 |
| 2 | どの処分方法を、どの順番で行うか | 処理フロー、設備・工程資料 |
| 3 | 各処分の結果として何が生じるか | 処理後物一覧、引渡先・用途の資料 |
そのうえで、次のように問いを分けると判断しやすくなります。設定画面の項目名で考えるのではなく、実際の作業と発生物で考えることがポイントです。
- 処分方法を選ぶ問い:この事業場では、実際にどの処理を行うか
- 主たる処分方法を選ぶ問い:どの工程が処理後物の性状に最も影響するか
- 処理後物を選ぶ問い:その工程の結果、実際に何が生じるか
- 種別を選ぶ問い:その物は、廃棄物と再資源化物のどちらに当たるか
- 分類コードを選ぶ問い:公式コード表の、どの定義・該当例に当たるか
担当者の記憶だけで整理しないでください。工程と発生物を書き出すときは、どの資料を根拠にしたのかも1行で残しておきます。根拠が残っていれば、担当者が替わったときも、処理内容が変わったときも、同じ判断をたどり直せます。
設定はどの順番で進めるか
基本設定からパターン作成までを、次の順に整理すると全体像をつかみやすくなります。
- 処分方法設定で、処理工程と主たる処分方法を登録します。
- 処理後物の種類設定で、工程後に生じる物を登録します。
- 処分事業場設定で、二次処理先以降の事業場情報を整理します。
- 再資源化等の情報パターンで、事業場・処分方法・処理後物を実際の処理フローに沿って組み合わせます。パターンには「処分終了報告用」と「最終処分終了報告用」の2種類があり、自社で処分が完結するかどうかで選び分けます。
画面を順に埋めるだけではなく、最初に自社から最終処分されるまでの流れを書き出しておくことが重要です。自社では分からない下流工程がある場合は、二次処理先などの関係事業者に確認します。
パターン作成の考え方と、2027年4月に向けた事前準備は、次の記事で解説しています。
設定前に集める情報のチェックリスト
画面を開く前に、次の情報がそろっているかを確認してください。不足している項目は、空欄のまま止めるのではなく、「誰に何を確認するか」を先に決めておくと作業が進みます。
処分方法に関する情報
- 自社で行う処分工程
- 二次処理先以降で行われる処分工程
- 複数工程がある場合の処理順
- 処理後物の性状に最も影響する工程
- 現場の呼称・許可証上の表記と、表示名の対応
処理後物に関する情報
- 各工程の結果として生じるすべての物
- 「廃棄物」「再資源化物」の区分
- 処理後物の状態、用途、引渡先
- 公式手引き・コード表上の分類コード
- 細分類コードや独自名称を使う場合の社内ルール
下流工程に関する情報
- 二次処理先以降の事業場
- 各事業場の処分方法
- 各事業場で生じる処理後物
- 委託先への確認内容、回答者、確認日
- 契約書や処理フローとの整合
よくある混同と見直し方
1.「焼却」「破砕」などの工程名を処理後物として考える
「焼却」「破砕」などは処分方法を表す工程名です。工程名をそのまま処理後物として扱うのではなく、その処理の結果として実際に生じた物を確認します。
2.受け入れた廃棄物の種類を、処理後物として転記する
受入物と処理後物は同じとは限りません。処理後の状態と、その後の流れを基準に整理してください。
3.複数工程の先頭を、自動的に「主たる処分方法」にする
主たる処分方法は、処理後物の性状に最も影響を与える工程という考え方で選びます。処理順だけで決めないようにします。
4.細分類コードを、公式の分類コードだと思う
画面の一覧で選択する分類コードは、大・中・小分類の計6桁です。細分類コードは任意の半角数字3桁で、処理後物分類コード全体(10桁)の末尾に当たる部分です。役割が異なるため、置き換えて考えないでください。
5.自社の工程だけを登録対象だと考える
処分方法設定と処理後物の種類設定は、自社および最終処分されるまでの処分で必要となる情報を対象にしています。下流工程がある場合は、関係先へ確認してください。
よくある質問
処分方法と処理後物を、最も簡単に見分ける方法はありますか。
「何をしたか」が処分方法、「その結果、何が生じたか」が処理後物です。工程と発生物を別の列にして処理フローを書き出すと、見分けやすくなります。
一つの処分方法に対して、処理後物も一つだけですか。
必ず一つとは限りません。実際の設備や処理内容によって、複数の処理後物が生じる場合があります。推測せず、実際の発生物をご確認ください。
処分方法は何工程まで設定できますか。
JWNETの操作マニュアルでは、受け入れた廃棄物を複数の処分方法で処分する場合、最大4つまで選択できると説明されています。4つすべてを埋める必要はありません。
「主たる処分方法」はどのように選びますか。
処理後物の性状に最も影響を与える処分方法を選びます。単に最初の工程や最後の工程を選ぶのではなく、実際の処理内容から判断してください。
細分類コードは必須ですか。
いいえ。処理後物の細分類コードは任意です。設定する場合は半角数字3桁を使用します。社内で区分する必要がなければ、設定しなくても構いません。
処分方法と処理後物を登録した後は、何を決めますか。
処分事業場を整理したうえで、再資源化等の情報パターンの種別を選びます。パターンは「処分終了報告用」と「最終処分終了報告用」の2種類で、自社で処分が完結するか、後工程へ委託するかで判断します。詳しくはJWNET再資源化パターンは2種類|処分終了報告用と最終処分終了報告用の違いをご覧ください。
2027年4月までは何もしなくてもよいですか。
JWNET公式の案内では、追加項目の入力は2027年4月から必須で、2027年3月末までは任意項目とされています。ただし、自社だけでは分からない下流工程の確認や分類の整理には時間がかかります。よく使用している処理ルートから、早めに準備を始めることをおすすめします。
この後に読む2記事|「処分事業場」と「パターン種別」を整理します
処分方法と処理後物を整理した後は、「どの事業場で処理されるか」「どの種類の再資源化等の情報パターンを使うか」を確認します。この2点は、公開済みの次の2記事で解説しています。
今回の総括
今週の要点は、「処分方法」と「処理後物」を、工程と結果物に分けることです。
- 処分方法は、どのような処理を行うかという工程です。
- 複数工程がある場合は最大4つまで設定でき、処理後物の性状に最も影響する工程を主たる処分方法として指定します。
- 処理後物は、処理の結果として生じる廃棄物・再資源化物です。
- 処理後物は種別と分類コードを選び、必要な場合のみ細分類コードや独自名称を設定します。
- 自社の工程だけでなく、最終処分されるまでの下流工程も確認します。
この2つを正しく分けて整理できれば、次の「処分事業場設定」や「再資源化等の情報パターン」の作成へ進みやすくなります。画面入力を始める前に、処理フローを工程・事業場・結果物の3つに分け、確認が必要な相手と資料を洗い出しておきましょう。
制度対応は、選択肢を埋める作業ではありません。どの資料を根拠に選び、誰が確認し、処理内容が変わったときに誰が更新するのか。そこまで決めておくことで、担当者が替わっても説明できる設定になります。
電子マニフェスト事務の整理にお困りの方へ
株式会社ケイ・システムでは、電子マニフェストの入力代行や事務BPOを通じて、現場の運用を大きく変えずに産廃事務を整える支援を行っています。次のような段階でもご相談いただけます。
- 処理フローは分かるが、JWNETの設定項目へ落とし込めない
- 処分方法と処理後物の区別が、社内で共有できていない
- 二次処理先への確認を含め、準備作業を整理したい
- 委託先へ何を確認すればよいかが決まっていない
- JWNETの既存設定を、誰も説明できない状態になっている
- 2027年4月対応と、日常のマニフェスト事務を並行できない
法的な分類判断を代わりに行うものではありませんが、確認に必要な資料、情報、問い合わせ先を整理し、設定作業へ進める状態をつくるところをお手伝いします。
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