公開日:2026年9月3日/最終更新日:2026年9月3日
この記事は、産業廃棄物の処分業者の方へ向けた内容です。2027年4月から報告が必要になる「再資源化等の情報」について、JWNETで最初に確認する3つの基本設定を整理します。
制度全体の流れは2027年4月施行の再資源化等の情報、今から何を準備するか、パターンの具体的な作り方はJWNET「再資源化等の情報パターン」の作り方で解説しています。
「再資源化等の情報パターンを登録しようとしたところ、先に基本設定が必要だと分かり、どこから手を付ければよいか迷っている」。2027年4月に向けて準備を始めた処分業者の中には、この段階で手が止まっている方もいらっしゃいます。
JWNETの再資源化等の情報は、いきなりパターンを作成する仕組みではありません。パターンで使用する処分方法、処理後物の種類、必要に応じて後工程の処分事業場を、先に基本設定へ登録します。
ただし、画面を開いてから処理内容を考えるのでは、正しい設定はできません。また、二次処理先以降がある場合は、委託先の処分方法、処理後物、処分事業場について、事前に情報を集めておく必要があります。この記事では、最初に確認したい3つの基本設定と、入力前に準備する情報を順に整理します。
まず結論
- 処分業者の基本設定に追加されたメニューは、処分方法設定、処理後物の種類設定、処分事業場設定の3つです。
- 処分方法設定と処理後物の種類設定は、自社だけでなく最終処分されるまでの処理を確認して設定します。処分事業場設定では、中間処理後の委託先となる処分事業場を設定し、自社の処分事業場はここでは設定不要です。
- 設定内容は、事前に委託先へ確認するよう公式マニュアルに記載されています。
- 基本設定、再資源化等の情報パターン設定、実際の報告は、それぞれ別の作業です。
目次
2027年4月から何が変わるのか
廃棄物処理法施行規則の改正は2025年4月に公布され、2027年4月に施行されます。これにより、処分業者は電子マニフェストの報告に合わせて、最終処分または再生までに行われた処分について、次の5項目を報告することになります。
- 処分業者の名称と許可番号
- 処分事業場の名称と所在地
- 処分方法
- 処分方法ごとの処分量
- 処理後物の種類と量
この5項目を報告するための土台となるのが、これから説明する3つの基本設定です。処分事業場設定では後工程の処分業者・処分事業場に関する情報、処分方法設定では処理工程、処理後物の種類設定では処理によって生じる物の種類をあらかじめ登録します。一方、処分方法ごとの処分量や処理後物の量そのものを基本設定で登録するわけではありません。これらの数量は、後の再資源化等の情報パターン設定や実際の報告で、基準重量や設定した割合等をもとに扱います。なお、自社の処分事業場等の情報は、報告や再資源化等の情報パターン設定の際に加入者情報が反映されます。
追加項目は2027年4月から入力が必須になります。2027年3月31日までは任意項目として扱われるため、この期間に自社の処理ルートを整理し、設定を試しておくことができます。今回は制度の全体像ではなく、JWNETで最初に確認する基本設定へ範囲を絞ります。
基本設定・パターン設定・報告は別の作業
準備が止まりやすい原因のひとつが、この3つを同じ作業として考えてしまうことです。公式マニュアルでは、報告までの流れが次のように整理されています。
自社の処分情報と、委託先の処分業者・処分情報を整理します。
処分方法設定、処理後物の種類設定、処分事業場設定を行います。
基本設定で登録した内容を組み合わせ、報告に使うパターンを作成します。
処分終了報告、最終処分終了報告に合わせて報告します。
基本設定は、後から行うパターン設定や報告の土台です。基本設定がされていないと、再資源化等の情報で必要な処分方法や処理後物などを選択できません。なお、再資源化等の情報パターンは日々の報告を効率化するために活用できますが、パターンを使用せずに直接入力する場合でも基本設定は必要です。パターン設定は基本設定とは別のメニューにあり、公式マニュアルでは「環境設定」から開くと説明されています。
基本設定メニューの開き方
公式マニュアルでは、次の順に画面を開きます。
- JWNETポータルへログインする
- 「マニフェスト管理(登録・設定・通知)」をクリックする
- メニューから「基本設定」を選択する
- 再資源化等の情報に関する設定メニューを開く
再資源化等の情報に関するメニューは、公式マニュアル上ではオレンジ色で表示されています。画面を開くこと自体は難しくありません。詰まりやすいのは、開いた後に「どの処分方法や処理後物を選べばよいか分からない」という状態です。

3つの基本設定を比較する
3つの設定は名前が似ていますが、登録する対象が異なります。違いを先に押さえておくと、集める情報も整理しやすくなります。
| 基本設定メニュー | 公式マニュアルでの設定内容 | 実務で最初に確認すること |
|---|---|---|
| 処分方法設定 | 自社および最終処分されるまでのすべての処分事業場での処理の工程を設定する(分類コード表から選択)。 | 自社と委託先で、どの工程の処理を行っているか。 |
| 処理後物の種類設定 | 自社および最終処分されるまでのすべての処分において発生する処理後物の種類を、一覧画面から選択して設定する(分類コード表から選択)。 | 各工程の結果、どの物が発生し、廃棄物か再資源化物か。 |
| 処分事業場設定 (旧・最終処分事業場設定) | 中間処理後のすべての処分に係る処分事業場の情報(処分業者名称、許可番号、処分事業場の名称、処分事業場の所在地)を設定する。 | 中間処理後の委託先が、正式名称と許可番号まで分かるか。 |
処分方法設定とは
処分方法設定では、自社および最終処分されるまでのすべての処分事業場での処理の工程を設定します。自社で中間処理を行った後、処理後物を別の処分業者へ委託している場合は、自社の工程を登録して終わりではありません。最終処分または再生に至るまでの工程を確認します。
処分方法はJWNETの分類コード表から選択します。社内で普段使っている呼び方だけで判断せず、許可証の記載や実際の処理内容と照らし合わせてください。受け入れた廃棄物を複数の処分方法で処分する場合は、最大4つまで処分方法を選択でき、そのうち主たる処分方法を指定します。表示名は、必要に応じて普段使用している名称や許可証の記載に合わせて編集できます。
複数工程の登録方法、主たる処分方法の選び方、表示名の編集は、別の記事で詳しく扱います。この記事では、まず処理工程の全体像を書き出すところを優先してください。

処理後物の種類設定とは
処理後物の種類設定では、自社および最終処分されるまでのすべての処分において発生する処理後物の種類を、一覧画面から選択して設定します。
ここで混同しやすいのが、処分方法との違いです。分けて考えると整理しやすくなります。
- 処分方法:どのような工程で処理したか
- 処理後物:その処理の結果、何が生じたか
処理後物の選択では、まず種別として「廃棄物」か「再資源化物」かを選び、該当する分類コードを選択します。同じような呼び方をしていても、性状や処理後の扱いによって選ぶ区分が変わる可能性があります。名称だけで判断せず、実際の処理内容を確認してください。判断に迷う場合は、JWNETが公開している分類区分選択の考え方(PDF)と、実際に処理を行う委託先の情報が手がかりになります。
細分類コードの設定は任意で、種類名称を独自の名称に設定することもできます。分類コードや独自名称の具体的な決め方は、別の記事で扱います。

処分事業場設定とは
処分事業場設定では、中間処理後のすべての処分に係る処分事業場の情報を設定します。公式マニュアルに示されている項目は次の4つです。
- 処分業者名称
- 許可番号
- 処分事業場の名称
- 処分事業場の所在地
画面ではこのほかに、事業場コードと事業場区分を入力します。事業場区分は、その処分事業場での処理が中間処理の場合は「中間」、埋立処分など最終処分の場合は「最終」を選択します。
自社の処分事業場の情報は、この画面では設定不要です。公式マニュアルには、報告や再資源化等の情報パターン設定の際に入力される自社の処分事業場等の情報は、加入者情報が反映されると記載されています。この画面で登録するのは、中間処理後の処分を委託する他社(後工程)の処分事業場情報です。

旧「最終処分事業場設定」からの引継ぎ
このメニューは、以前「最終処分事業場設定」という名称でした。公式マニュアルによると、旧設定で登録していた処分事業場の情報はそのまま引き継がれ、処分事業場一覧に表示されます。
ただし、再資源化等の情報を含む最終処分終了報告を行う場合は、新たに追加された[許可番号][処分業者名称][事業場区分]を設定する必要があります。以前からJWNETを使用している会社も、「登録済みだから問題ない」と判断せず、一覧を開いて未設定の項目がないか確認してください。

設定前に集める情報
基本設定は、事務担当者が社内資料だけを見て完成させられるとは限りません。公式マニュアルにも、設定する内容については事前に委託先へ確認するよう記載されています。JWNETへログインする前に、次の情報を整理してください。
自社について確認する情報
- 受け入れている廃棄物の種類
- 実際に行っている処理工程
- 許可証に記載された処分方法
- 各工程から発生する処理後物
- 処理後物が廃棄物か再資源化物か
- 処理後物の持出先(中間処理後の委託先)
委託先へ確認する情報
- 正式な処分業者名
- 許可番号
- 処分事業場の名称
- 処分事業場の所在地
- 事業場区分(中間か最終か)
- 委託先で行われる処分方法
- 委託先の処理後に発生する物
- さらに後工程がある場合の処分先
- 情報が不足したときの問い合わせ先
許可証、契約書、計量票、請求明細で、事業場の名称が一致していない場合もあります。どの資料を正しい情報源とするのか、分からないときは誰へ確認するのかまで決めておくと、設定後の修正を減らせます。委託先の処分方法や処理後物を、名称だけから推測して登録することは避けてください。
最初の1ルートを整理する手順
複数の廃棄物や委託先を扱っている会社が、すべてのルートを一度に設定しようとすると、情報収集だけで作業が止まります。まずは件数が多く、処理の流れを確認しやすいルートを一つ選んでください。
- 受け入れた廃棄物を一つ選ぶ
- 自社で行う処理を順番に書き出す
- 各処理から生じる処理後物を書き出す
- 自社から持ち出す処理後物を確認する
- 委託先の処分事業場と処理内容を確認する
- 最終処分または再生まで後工程をたどる
- 確認した情報を3つの基本設定へ登録する
- その後、再資源化等の情報パターンの作成へ進む
一つのルートで必要な情報と確認方法が固まれば、その手順をほかの廃棄物や委託先へ展開できます。
起こりやすい4つの間違い
1.基本設定をせずにパターンを作ろうとする
パターンで使用する処分方法、処理後物が登録されていなければ、必要な情報を選択できません。また、後工程がある場合は、必要な処分事業場の設定も必要です。情報整理と基本設定が先です。
2.自社の工程だけを確認して準備を終える
処分方法設定と処理後物の種類設定では、自社だけでなく最終処分されるまでの処理を確認する必要があります。また、中間処理後に他社へ処分を委託する場合は、後工程となる処分事業場の情報も処分事業場設定で準備します。自社だけを確認して終わらず、必要に応じて委託先へ確認してください。
3.委託先の情報を推測で登録する
処分方法、処理後物、許可番号、事業場区分は、名称だけで判断できない場合があります。不明な情報は推測せず、実際に処理を行う委託先へ確認します。
4.すべての処理ルートを一度に設定する
最初から完璧を目指すと、確認先と不足資料が増え、作業が進まなくなります。代表的な1ルートで確認手順を固めてから広げてください。
今日から使えるチェックリスト
- JWNETポータルで基本設定の3メニューを開いて確認した
- 処分方法と処理後物の違いを、社内で説明できる状態にした
- 件数の多い処理ルートを一つ選んだ
- 自社の処理工程と、そこから発生する処理後物を書き出した
- 中間処理後の委託先を一覧にした
- 委託先の正式名称、許可番号、事業場区分の確認担当を決めた
- 旧「最終処分事業場設定」から引き継がれた情報の未設定項目を確認した
- 不明点の問い合わせ先と、確認の期限を決めた
よくある質問
3つの基本設定は、すべての処分業者が同じ内容になりますか。
いいえ。自社で行う処理、発生する処理後物、後工程の有無によって内容は変わります。特に処分事業場設定は、中間処理後の処分を他社へ委託する場合の事業場情報を設定するメニューで、自社の処分事業場の情報はこの画面では設定不要とされています。
処分方法と処理後物の違いが分かりません。
処分方法は「行った処理の工程」、処理後物は「その処理の結果として生じた物」です。どちらも分類コード表から選択します。区分の判断に迷う場合は、JWNET公式の分類区分選択の考え方と、実際の処理内容を確認してください。
委託先の情報は、契約書だけで確認できますか。
契約書だけでは、処分方法や処理後物、さらに後工程となる事業場の情報まで確認できない場合があります。許可証などの資料も確認し、不足している情報は委託先へ問い合わせてください。
いつまでに設定すればよいですか。
追加項目は2027年4月から入力必須になり、2027年3月31日までは任意項目です。直前にすべてを設定するのではなく、任意の期間のうちに代表的な処理ルートから試しておくと、確認と修正の時間を確保できます。
基本設定が終われば、報告の準備は完了ですか。
基本設定は、パターン作成や実際の報告に必要な土台です。日々の入力を効率化する場合は再資源化等の情報パターンを作成し、処分終了報告や最終処分終了報告の際に利用できます。なお、パターンを使用せず直接入力することもできます。
今回の総括
JWNETの再資源化等の情報を準備するとき、最初に確認する基本設定は、処分方法設定、処理後物の種類設定、処分事業場設定の3つです。処分方法や処理後物については、自社だけでなく最終処分または再生までの処理を確認し、中間処理後に他社へ委託する場合は、後工程となる処分事業場の情報も整理しておく必要があります。
まずは件数の多い処理ルートを一つ選び、自社の処理から最終処分または再生までを一枚の紙に書き出してください。不足している情報と、確認すべき相手が見えてきます。
制度対応は、入力画面を開いた瞬間に始まるのではありません。誰が、どの資料を確認し、委託先の誰へ問い合わせるのか。必要な情報と確認先を決めたところから、本当の準備が始まります。
基本設定の前段階から相談できます
株式会社ケイ・システムでは、JWNETへの入力作業だけでなく、基本設定に必要な情報の整理、委託先への確認事項の洗い出し、関係者への連絡やとりまとめまでを支援しています。次のような段階でもご相談いただけます。
- 自社の処理ルートを整理できていない
- 処分方法と処理後物の違いが分からない
- 二次処理先以降の情報が集まらない
- 誰が委託先へ確認するのか決まっていない
- 旧「最終処分事業場設定」の登録内容を確認したい
- 2027年4月に向けて何から着手すればよいか分からない
- JWNET業務が特定の担当者へ集中している
現在お持ちの許可証、契約書、処理フローを確認するところからご相談いただけます。まだ整理できていない状態でも構いません。
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