公開日:2026年10月3日
この記事は、産業廃棄物の処分業者・中間処理業者の方へ向けた【今週の総括】です。9月29日に解説した「割合と基準重量」と、10月1日に解説した「処分終了報告(報告区分:最終)の入力手順」をつなぎ、準備した割合が、実際の報告数量になるまでの一連の流れを整理します。
個別の操作手順は、割合と基準重量(9月29日)、処分終了報告の入力手順(10月1日)で詳しく解説しています。今回は新しい操作説明を増やさず、2つの記事のつながりだけを整理します。
今週は、JWNET「再資源化等の情報」について、2つの重要なテーマを解説しました。9月29日は「割合と基準重量の関係」。10月1日は「処分終了報告で実際に再資源化等の情報を報告する手順」です。
この2つは別々の話ではありません。事前に設定した割合が、実際のマニフェストの基準重量と組み合わさって数量になり、その内容を確認して報告するという、一連の作業です。今回は、これまで学んだ内容をつなぎ、パターンの割合が実際の報告数量へ反映されるまでを振り返ります。
この記事で分かること
- 9月29日・10月1日の2記事が、それぞれ何を扱っていたか
- 基準重量と、2種類の割合の関係
- 1次の処分方法割合が100%になり、処理後物の割合はそうとは限らない理由
- 基準重量から実際の数量が計算される仕組み
- 自社完結ケースの処分終了報告で、何をどの順番で行うか
- 基準重量にどの数量が使われるか(Web方式の優先順位)
- パターン選択から報告完了までの流れ
- 日常業務で間違えやすいポイントと、その防ぎ方
まず結論(30秒)
今回の総括で押さえておきたいのは、次の一本道です。
- 基準重量を確認する
- パターンに設定した割合を適用する
- 処分方法ごとの処分量・処理後物の量が算出される
- 内容を確認する
- 処分終了報告(報告区分:最終)を行う
最重要ポイント:マニフェスト区分「1次」の処分方法割合は合計100%、処理後物の割合は100%とは限りません。パターンを作ることと、実際に報告を完了させることは別の作業です。
「割合と基準重量、報告操作のどこでつまずいているか分からない」という段階でも構いません。LINEで現在の状況をお送りいただくだけで、確認する資料と確認先の整理からご相談いただけます。
目次
1.今週解説した2つのテーマ
9月29日|割合と基準重量
JWNET再資源化パターンの割合と基準重量|100%になる項目・ならない項目
パターンへ設定する2種類の割合(処分方法ごとの割合・処理後物の種類ごとの割合)と、数量計算の基準になる基準重量について整理しました。特に重要なのは、処分方法の割合と処理後物の割合では意味が違うという点です。
10月1日|実際の処分終了報告
JWNET「再資源化等の情報」処分終了報告(報告区分:最終)の入力手順|自社完結ケース
自社の処理で最終処分または再生まで完了するケースを取り上げました。報告区分「最終」を選択し、受入量の入力から基準重量の確認、パターンの選択、報告完了までを解説しています。今回の総括では、この2つをつなげていきます。
2.基準重量と割合の関係をおさらい
まず、基準重量とは何でしょうか。JWNET公式マニュアルでは、基準重量を、処分業者が受け入れた廃棄物の量であり、処分方法ごとの処分量と処理後物の量を算出する基準となる重量として説明しています。
そのため、パターンへ登録した割合だけでは、実際の数量は決まりません。基準重量が決まって初めて、割合を実際の数量へ換算できます。
図解1|基準重量から2種類の数量が算出される仕組み(オリジナル図解)。詳しい根拠は9月29日の記事を参照してください。
3.100%になる割合・ならない割合
ここは9月29日の記事でも特に重要だった部分です。JWNETでは、2種類の割合を区別して考える必要があります。
※スマートフォンでは、表を左右にスクロールできます。
| 比較項目 | 処分方法ごとの割合 | 処理後物の種類ごとの割合 |
|---|---|---|
| 何を表すか | どの処分方法で処理したか | 処理後に何が生じたか |
| 割合の基準 | 基準重量 | 基準重量 |
| 1次の割合の合計 | 100% | 100%とは限らない |
| 主な確認事項 | 処分方法ごとの配分 | 処理後物の種類と発生量 |
処分方法ごとの割合は、マニフェスト区分が「1次」の行では合計100%に設定します。一方、処理後物の種類ごとの割合は、処理の過程で減量化等が生じる場合があるため、必ずしも合計100%にはなりません。重要なのは、処分方法の割合と処理後物の割合を、それぞれ別の意味として理解することです。


画像A|処分方法ごとの割合(1次は合計100%)と、処理後物の種類ごとの割合(100%とは限らない)。スマートフォンでは上から順に表示されます。詳しい根拠は9月29日の記事を参照してください。
4.基準重量から数量が計算される仕組み
では、パターンに設定した割合は、実際の報告でどのように使われるのでしょうか。JWNET公式マニュアルには、次の計算例があります。
再資源化等の情報パターンを使用した場合、[処分方法ごとの量]と[処理後物の量]には基準重量に再資源化等の情報パターンで設定した割合を乗じた値が入力されます。
JWNET公式「再資源化等の情報 操作マニュアル 暫定版Ver.2.0【処分業者向け】」42ページ
図解2|公式マニュアルに記載されている計算例(オリジナル図解)

再資源化等の情報パターンを使用すると、基準重量と設定した割合をもとに、処分方法ごとの処分量や処理後物の量が算出されます。これは、パターンを登録する大きな目的の一つです。ただし、計算が自動で行われることと、その数量が実際の処理実績に合っていることは別です。自動計算された数量も、報告前に確認することが重要です。
5.実際の処分終了報告では何をする?
次に、10月1日の記事を振り返ります。今回対象とするのは、自社の処理で最終処分または再生まで完了し、2次マニフェストがないケースです。この場合、処分終了報告で報告区分「最終」を選択します。基本的な操作は次の流れです。
- [処分終了報告]から対象マニフェストを検索する。
- 対象マニフェストの[編集]を開く。
- 報告区分で[最終]を選択する。
- 処分終了日と処分担当者を入力する。
- 実測した受入量がある場合は、受入量と単位を入力する。
- [再資源化等の情報追加]をクリックする。
- 基準重量を確認する。
- 再資源化等の情報パターンを選択する。
- 反映された内容を確認して入力する。
- [報告]をクリックし、正常終了を確認する。
ここで、9月29日に学んだ「基準重量」と「割合」が、実際の報告操作につながります。

6.基準重量はどの数量が使われる?
JWNETのWeb方式では、基準重量は次の優先順位で自動入力されます。
※スマートフォンでは、表を左右にスクロールできます。
| 優先順位 | 条件 | 基準重量になる数量 |
|---|---|---|
| 1 | 受入量が入力されている | 受入量 |
| 2 | 受入量がなく、運搬量が入力されている | 運搬量 |
| 3 | 受入量・運搬量の両方がない | 廃棄物の数量 |
そのため、台貫等で受入量を計測している場合は、[再資源化等の情報追加]をクリックする前に、受入量と単位を入力します。ここを確認せずに進めると、意図していた数量とは異なる数値が基準重量として使われる可能性があります。
この優先順位は「JWNETのWeb方式」に限った説明です。なお、JWNET公式FAQでは、反映された基準重量を直接入力して変更したり、別の数量を選択したりすることも可能とされています。EDI方式やASP、産廃管理ソフトを利用する場合は、利用システムの仕様を確認してください。

7.パターン選択から報告完了まで
基準重量を確認したら、実際の処理内容に対応する再資源化等の情報パターンを選択します。パターンには、事前に処分方法や処理後物、それぞれの割合が設定されています。パターンを選択すると、基準重量をもとに数量が算出され、各項目へ反映されます。このとき、確認しておきたいのは次の3点です。
①正しいパターンを選んだか
今回の受託廃棄物や実際の処理内容と、選択したパターンが合っているかを確認します。
②基準重量は正しいか
受入量や単位を確認し、意図した重量が使われているか確認します。
③算出された数量は実績と整合しているか
処分方法ごとの処分量や処理後物の量を確認します。
内容に問題がなければ、画面の案内に沿って入力し、最後に[報告]を実行します。[入力]だけで終わらず、[報告]と正常終了の確認まで行うことが大切です。なお、JWNETでは、パターンを使用せずに再資源化等の情報を直接入力することもできます。

- パターン設定
- 実際の受入量
- 基準重量
- 割合の適用
- 数量の確認
- 報告
「報告完了」画面(処分終了報告結果一覧で正常終了が表示される画面)は、10月1日の記事で画面つきで解説しています。今回は、そこへ至るまでの流れを図解でつなげました。
8.日常業務で間違えやすいポイント
ここまでの内容を踏まえ、日常業務では次の点に注意したいところです。
※スマートフォンでは、表を左右にスクロールできます。
| よくある間違い | 防ぐための確認 |
|---|---|
| 処分方法と処理後物の割合を混同する | 1次の処分方法割合は合計100%、処理後物割合は100%とは限らない |
| 受入量を入力せずに進める | 実測受入量がある場合は情報追加前に入力 |
| 基準重量を確認しない | パターン選択前に表示された重量を確認 |
| 違うパターンを選ぶ | パターン名称だけでなく実際の処理内容を確認 |
| 自動計算された数量を確認しない | 報告前に実績との整合性を確認 |
| [入力]だけで終了したと思う | [報告]と正常終了まで確認 |
こうした間違いを防ぐためには、担当者が注意するだけでなく、確認する順番をあらかじめ決めておくことが効果的です。
9.パターン設定と報告をつなぐための実務管理
再資源化等の情報の報告では、正しいパターンを作るだけでは十分ではありません。実際の受入量や処理実績を確認し、そのマニフェストに合ったパターンを選択する必要があります。例えば、次のような運用をおすすめします。
報告前|受渡確認票・マニフェスト・受入記録の確認入力時|基準重量・単位・パターン・数量の確認報告後|正常終了・対応履歴の確認
ケイ・システムでは、この一連の作業を担当者個人の経験だけに頼らず、継続して運用できる仕組みにすることを重視しています。
10.今週のチェックリスト
- 基準重量の意味を理解している
- 1次の処分方法割合を合計100%に設定している
- 処理後物割合が100%とは限らないことを理解している
- 割合の根拠となる資料を確認している
- 実測受入量がある場合の入力タイミングを理解している
- 基準重量の自動選択ルールを確認している
- 自社完結の場合は報告区分「最終」を選択している
- 対象マニフェストに合ったパターンを選択できる
- 自動算出された数量を確認している
- 入力後に報告と正常終了を確認している
11.よくある質問
Q1.処分方法の割合と処理後物の割合は、どちらも100%ですか?
いいえ。マニフェスト区分が「1次」の行では、処分方法ごとの割合を合計100%に設定します。一方、処理後物の種類ごとの割合は、減量化等によって100%になるとは限りません。
Q2.基準重量は何に使われますか?
処分方法ごとの処分量と、処理後物の量を算出するための基準です。
Q3.パターンを使えば、数量を毎回計算する必要はありませんか?
JWNETでは、基準重量とパターンに設定した割合から数量を算出できます。ただし、自動算出された数量が実際の処理内容と整合しているかは確認してください。
Q4.受入量がある場合は、いつ入力しますか?
JWNETのWeb方式では、[再資源化等の情報追加]をクリックする前に、実測した受入量と単位を入力します。
Q5.パターンは必ず使わなければなりませんか?
いいえ。JWNETでは、パターンを使用せず、再資源化等の情報を直接入力することも可能です。
次回は、処分終了日や処分担当者が同じ複数のマニフェストをまとめて入力する方法について解説します。さらに10月8日は、2次処理以降がある場合の「最終処分終了報告」を取り上げる予定です。詳しい入力手順は、それぞれの記事で改めてご紹介します。
12.まとめ
- 基準重量×割合=数量
- 内容確認は報告の前に
- 入力だけでなく報告まで
今週は、再資源化等の情報について、割合・基準重量から実際の処分終了報告までを確認しました。基準重量に処分方法・処理後物の割合を掛け合わせて数量が決まり、その内容を確認したうえで、処分終了報告(報告区分:最終)へ進みます。パターンを作成することが目的ではありません。実際の受入量や処理実績を確認し、正しい情報を継続して報告できる状態にすることが重要です。
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
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免責:本記事は、2026年9月時点で確認したJWNET公式「再資源化等の情報 操作マニュアル 暫定版Ver.2.0【処分業者向け】」(32〜35ページ、39〜42ページ等)の公開情報をもとに、9月29日・10月1日公開記事の内容をつなげて総括した一般的な情報です。JWNETの画面、入力項目、仕様、制度、運用方法等は変更される可能性があります。実際の設定・報告にあたっては、最新のJWNET公式サイト、操作マニュアル、FAQを必ずご確認ください。株式会社ケイ・システムはJWNETの運営者ではありません。基準重量の自動選択に関する記載はJWNETのWeb方式についての説明であり、EDI方式・産廃管理ソフトをご利用の場合は運用が異なる場合があります。記事中の50kg×60%=30kgの計算例は、公式マニュアルに記載されている説明用の例です。掲載しているJWNET公式マニュアルの画面画像は、内容を改変せず、表示サイズを調整して掲載しています(出典:JWセンター コンテンツ利用ルール)。
参考文献
- 公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センター「電子マニフェストシステム 再資源化等の情報 操作マニュアル 暫定版Ver.2.0【処分業者向け】総合版」(PDF)※本記事は32〜35ページ、39〜42ページを参照しています。
- JWNET公式「電子マニフェストの項目追加/再資源化等の情報」(https://www.jwnet.or.jp/jwnet/about/tsuika/index.html)

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