コラム

電子マニフェスト義務化の全容|対象事業者・登録期限・罰則まで徹底解説

公開日:2025年4月13日 / 最終更新日:2026年1月1日

2020年4月から、一定規模以上の事業者には電子マニフェスト(JWNET)の利用が義務化されています。
「うちは紙でやっているから大丈夫」と思っていても、条件に当てはまると法令違反リスクになります。
この記事では、義務化の対象、登録期限(3日ルール)、例外、違反時の処分までを、現場の実務目線でわかりやすく整理します。

先に結論
特別管理産業廃棄物(PCB除く)を一定量以上排出し、外部委託する事業場は電子マニフェストが必須です。
迷ったら、まず「前年度・前々年度の排出量」「委託の有無」を確認してください。

目次

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  1. そもそもマニフェスト制度とは?
  2. 電子マニフェスト(JWNET)とは
  3. 電子マニフェスト義務化のポイント
  4. 義務化対象(誰が対象?)
  5. なぜ義務化が進められたのか
  6. 登録期限(3日ルール)と遅延リスク
  7. 電子が難しい場合の例外(やむを得ない事由)
  8. 受渡確認票とは(電子運用の“現場伝票”)
  9. 違反時の行政処分・罰則
  10. 導入でつまずくポイントと解決策
  11. ケイ・システムができる支援
  12. よくある質問(FAQ)
  13. お問い合わせ・ご相談

1. そもそもマニフェスト制度とは?

産業廃棄物の適正処理を確保するため、排出事業者が「産業廃棄物管理票(マニフェスト)」を交付し、収集運搬〜処分〜最終処分まで追跡できるようにした仕組みです。
ポイントは、排出事業者が“最後まで確認する責任”を負うこと。委託したから終わりではありません。

交付が不要となる代表例(※条件あり)

  • 排出事業者が自ら処理(自社処理)する場合
  • 制度上、例外として扱われるケース(「専ら物」等)
  • 自治体等への委託など、法令上の取り扱いが異なる場合

現場メモ
「有価物だと思っていた」「委託先に任せていた」で、交付漏れ・記載不備が起きやすいです。まずは自社の運用ルールを文章化しておくと事故が減ります。

2. 電子マニフェスト(JWNET)とは

電子マニフェストは、紙伝票の代わりにインターネット上でマニフェスト情報を登録・共有する仕組みです。運営は公益財団法人 日本産業廃棄物処理振興センター(JWセンター)で、利用するシステムがJWNETです。

2-1. JWNETの役割

  • 排出事業者/収集運搬業者/処分業者が、同じデータを共有できる
  • 進捗が追える(誰がいつ報告したかが残る)
  • 検索・集計がしやすく、監査や行政対応の説明が早い

2-2. 紙マニフェストとの違い

項目紙マニフェスト電子マニフェスト(JWNET)
やり取り伝票の受け渡し・返送が必要システム上で共有(郵送不要)
期限管理返送待ちで遅れが見えにくい報告遅延が可視化されやすい
監査対応伝票探し・突合作業が重い検索・一覧化がしやすい
保管各社で5年保管(場所が必要)システムで保管(紙保管の負担が軽い)

3. 電子マニフェスト義務化のポイント

2020年4月以降、条件を満たす事業場は電子マニフェストの利用が「努力義務」ではなく「法的義務」になります。
対象なのに紙で運用を続けると、行政指導〜命令の対象となる可能性があります。

4. 義務化対象(誰が対象?)

電子マニフェストの義務化対象は、代表的には次の条件です。

  • 特別管理産業廃棄物(PCBを除く)の排出量が一定量以上
  • その処理を外部委託している
  • 判断は前年度・前々年度など、一定期間の実績が関係します

※制度の適用は個別条件(事業場単位・排出量の算定方法等)で変わるため、最終判断は社内の排出実績と委託状況で整理し、必要に応じて専門家・行政に確認してください。

5. なぜ義務化が進められたのか

不適正処理や不正転売などの事件をきっかけに、トレーサビリティ(追跡可能性)を強化する必要が高まりました。
紙は「探す・突合する・証拠を揃える」に時間がかかりますが、電子は検索性が高く、監視・確認が進めやすいという背景があります。

6. 登録期限(3日ルール)と遅延リスク

電子マニフェストは、交付・報告に期限があります(いわゆる3日ルール)。
期限を超えると、遅延が残り、監査・行政対応で説明が必要になりやすいです。

  • 排出事業者:引渡し後、所定期限内に交付(登録)
  • 収集運搬業者:運搬終了後、所定期限内に報告
  • 処分業者:処分終了後、所定期限内に報告

つまずきポイント
「月末・連休・担当不在」で遅れがちです。写真→事務所→入力の導線が長いと遅延率が上がります。
ルール化(誰が・いつ・どこで入力するか)と、入力負担の軽減がカギです。

7. 電子が難しい場合の例外(やむを得ない事由)

法令上、電子交付が困難な場合に限り、例外として紙運用が認められるケースがあります。代表例は次のとおりです。

  • 通信障害・停電などでシステム利用ができない
  • 災害などの非常時
  • 地域事情などにより電子対応が物理的に困難

この場合でも、「なぜ電子ができないか」を記録・説明できる状態にしておくことが重要です。

8. 受渡確認票とは(電子運用の“現場伝票”)

電子マニフェスト運用では、現場での受け渡し確認として受渡確認票を併用することが一般的です。
運搬時に提示できる状態(紙またはスマホ等)で携行し、記載内容の整合を取るのがポイントです。

代表的な記載項目(運用でブレやすい箇所)

  • 廃棄物の種類・数量(単位・換算ルール)
  • 委託者名・積込日・積込場所(拠点名の表記ゆれ)
  • 運搬先(処分先)情報

9. 違反時の行政処分・罰則

義務化対象なのに紙で運用した場合、行政指導の対象となり得ます。流れとしては、一般に次のような段階で進むことがあります。

  1. 改善勧告
  2. 公表
  3. 措置命令

さらに、命令違反などは罰則の対象となり得ます。
また、マニフェスト不交付・虚偽記載・保存義務違反なども、案件次第で重い扱いになります。

実務の怖いところ
「すぐ罰金」よりも、先に取引停止・元請け評価の低下・行政対応コスト増が起きることが多いです。
だからこそ、“違反しない仕組み”を先に作るのが一番安いです。

10. 導入でつまずくポイントと解決策

よくある課題解決の方向性
委託先の一部が未対応で紙が混在まずは電子化できる委託ルートから移行/混在ルールを文章化
3日ルールに間に合わない入力の導線短縮(写真→入力)/入力代行で遅延を止血
現場名・品目名の表記ゆれで入力が止まるパターン(運搬経路)整備/マスタの統一
担当者が辞めると回らない手順書化+外部支援で属人化を解消

11. ケイ・システムができる支援

ケイ・システムでは、電子マニフェストの「導入」だけでなく、運用が続く仕組み化まで支援します。

  • JWNET加入・初期設定のサポート
  • 電子マニフェストの入力代行(運用に合わせた形で設計)
  • マスタ整理・パターン整備・表記ゆれ対策
  • 社内ルール(期限管理・チェック体制)の整備

「対象かどうか分からない」「今の運用が危ない気がする」
そんな段階でも大丈夫です。状況整理から一緒に進めます。

12. よくある質問(FAQ)

Q1. うちは紙でずっとやってきました。今すぐ電子にしないとダメですか?

義務化対象に該当する場合は、電子対応が必要です。まずは「排出量」「委託の有無」「委託先の電子対応状況」を整理して判断します。

Q2. 期限(3日ルール)が不安です。現実的に間に合いません。

導線を短くする(現場→写真→入力)だけで改善するケースも多いです。それでも厳しい場合は、入力代行で遅延を止め、ルール整備に時間を使うのが現実的です。

Q3. 委託先の一部が電子に対応していません。

電子化できるルートから移行し、紙混在時の社内ルール(チェック項目・保管方法)を決めるのが安全です。委託先選定も含めてご相談ください。


お問い合わせ・ご相談

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株式会社ケイ・システム 代表取締役 小島啓義

監修・執筆:株式会社ケイ・システム(神奈川県大和市)/ 代表取締役
小島 啓義

「廃棄物業界をITで変える」をミッションに活動する、産廃・解体事務の専門家。
産廃処理企業での勤務時代、アナログだった社内事務をゼロから構築し、電子マニフェスト化率を5%から80%へ向上させた実績を持つ(当時の関与事例・概算)。
現場と事務の両面を踏まえ、現在は「ゴミの見える化」を実現する自動計量システム『企業の体重計®』の開発や、複雑化する産廃事務の代行・DX支援を通じ、循環型社会のデジタルインフラ構築を推進中。

免責:本記事は、産廃・解体業界の実務で起きやすい論点を整理した一般情報です。法令・運用は改正や自治体運用で変わる可能性があるため、必ず一次情報(JWNET公式・自治体・環境省等)で確認してください(要確認)。個別案件は状況により最適解が変わりますので、無料相談をご利用ください。

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