コラム

電子マニフェスト義務化の全容|対象事業者・登録期限・罰則まで徹底解説

公開日:2025年4月13日 / 最終更新日:2025年9月13日

2020年4月から、一定規模以上の事業者に対して電子マニフェストの使用が義務化されました。
法令で認められる「やむを得ない事由」がない限り、紙マニフェストではなく電子で対応する必要があります。
本記事では、制度の基本から義務化の対象・背景・罰則・実務上の課題までを整理し、導入方法をわかりやすく解説します。

1. そもそもマニフェスト制度とは?

産業廃棄物の適正処理を担保するため、1993年に導入された仕組みがマニフェスト制度です。排出事業者は委託する際に「産業廃棄物管理票(マニフェスト)」を発行し、収集運搬・処分の流れを記録。最終処分まで適正に処理されたかを確認できます。

交付が不要な例外

  • 市町村や都道府県に直接委託する場合
  • 古紙や鉄くずなど「専ら物」を再生利用する場合
  • 排出事業者が自ら処理する場合

1993年に特別管理産業廃棄物から義務化が始まり、1998年からはすべての産業廃棄物に拡大されました。

2. 電子マニフェストとは

電子マニフェストは、紙の複写伝票に代えてインターネット上で処理状況を登録・共有する仕組みです。運営は公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センター(JWセンター)が担い、システム名はJWNET(Japan Waste Network)

特徴

  • パソコンやスマホから操作可能(専用ソフト不要)
  • 排出・収集運搬・処分の3者すべてが参加必須
  • リアルタイムで進捗を確認可能
  • 紙よりも不正防止・トレーサビリティ確保に優れる

3. 電子マニフェスト義務化のポイント

2020年4月以降、特定規模の排出事業者には電子マニフェスト利用が義務付けられました。
紙からの移行は努力義務ではなく、条件を満たせば法的義務となります。

4. 電子マニフェストの義務化対象

対象となるのは、以下の要件を満たす事業場です。

  • 特別管理産業廃棄物(PCB除く)が年間50トン超
  • その処理を委託する場合

※直近の前年度が基準未満でも、前々年度で50トン超なら義務化対象となります。

5. なぜ義務化が進められたのか

背景には2016年の廃棄食品不正転売事件などがありました。
紙マニフェストでは原因追跡に時間がかかるのに対し、電子なら即時検索・確認が可能。
行政による監視強化とトレーサビリティ確保の観点から、義務化が進められたのです。

6. 電子マニフェストの登録期限と3日ルール

電子マニフェストには「3日以内登録」ルールがあります。

  • 排出事業者 → 引渡し日から3日以内に登録
  • 収集運搬業者・処分業者 → 終了後3日以内に報告

※土日祝・年末年始は除外。ただしお盆期間は通常営業扱い。
期限管理を怠ると報告遅延となり、法的リスクが生じます。

7. 電子交付が困難な場合の例外

以下のような場合は紙マニフェスト使用が認められる例外です。

  • 通信障害や停電でシステム利用不可
  • 災害などの非常事態
  • 離島など電子対応業者が存在しない地域
  • 一時的排出で対応業者が近隣にいない場合
  • 高齢従業員のみでシステム未導入(2019年3月31日時点要件)

理由は必ず備考欄に明記する必要があります。

8. 受渡確認票について

電子マニフェストとあわせて運用される伝票が受渡確認票です。

必須記載項目

  • 廃棄物の種類・数量
  • 委託者の名称
  • 積込日
  • 積込場所・連絡先
  • 運搬先の名称・連絡先

印刷物やスマホ保存など、提示できる状態で携行が義務です。

9. 違反時の行政処分・罰則

対象事業者が紙マニフェストを使用すると、以下の処分を受けます。

  1. 改善勧告
  2. 公表
  3. 措置命令

措置命令違反は1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科されます。

さらに重大違反は:

  • 委託基準違反:5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金
  • マニフェスト不交付:1年以下の懲役または100万円以下の罰金
  • 虚偽記載や保存義務違反 → 措置命令対象

10. 電子マニフェスト導入に伴う課題

  • 非対応業者がいる場合:電子化が進んでいない委託先とは紙が混在
  • 3日ルール対応:大型連休などは登録遅延リスクあり
  • 紙の柔軟性との比較:有価物取引や複雑案件で紙の方が便利と感じる場面も

👉 ケイ・システムでは、こうした課題を補うための入力代行・運用設計サポートを提供しています。

11. 電子マニフェスト活用で実現する確実な廃棄物管理

電子マニフェストは、効率化だけでなく透明性・法令遵守・トレーサビリティを高める仕組みです。
ただし導入にはルール整備や社内教育が不可欠です。

ケイ・システムでは、

  • JWNET加入手続きの代行
  • 電子マニフェスト入力代行(紙→電子対応可)
  • 台帳・報告書作成の効率化サポート

👉 電子マニフェスト導入に不安がある事業者様は、ぜひお気軽にご相談ください。


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