コラム

【初心者向け】PRTR制度 入門(産廃・解体の実務ポイント+情報伝達FAQ)

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神奈川県の解体産廃事業者さま向けに、PRTR(化管法)を「まず理解する」ための入門記事です。
後半では、情報伝達(委託契約・WDS)の改正FAQに触れ、事務代行/アウトソーシングで“止まらない運用”にする考え方も整理します。
※法令・運用は改正や自治体運用で変わる可能性があります。必ず一次情報でご確認ください。

【初めて当サイトへお越しの方へ】

産廃・解体業界の事務効率化や、私が現場で経験した「17万5千枚の紙」との戦いから生まれた解決策など、当サイトの全体像を1ページに凝縮してまとめています。

記事を読み進める前に、まずは 初めての方へのガイドブック をご一読いただけると、貴社にぴったりの解決策がより早く見つかります。

まず結論(30秒)
  • PRTR制度は、化学物質が「環境にどれだけ出たか」「外へどれだけ出たか(移動したか)」を国が集計し、見える化する仕組みです。
  • 対象の事業者は毎年、排出量・移動量を届け出ます。
  • 産廃・解体で関係しやすいのは、「移動量=廃棄物として処理委託した分」という考え方です。
  • さらに、廃棄物に化学物質が含まれる場合、処理業者へ情報を伝える(委託契約・WDS等)ことが重要テーマになっています。
  • 電子マニフェスト(JWNET)とは別制度ですが、実務では「情報管理・証憑管理」の点で関係しやすい領域です(断定は避け、実務上の傾向として)。
目次(タップで開閉)

PRTR制度とは?(初心者向け30秒)

PRTRはざっくり言うと、
「どんな化学物質が、どこから、どれだけ環境へ出たか/外へ持ち出されたか」を国が集計して公表する制度です。

目的は、化学物質による環境リスクを減らすために、
市民・行政・事業者が“同じ情報”を見て対策を進めることにあります。

制度の流れ(超シンプル)

  1. 対象事業者が、年1回「排出量・移動量」を届け出る
  2. 国が集計し、公表する(+届出対象外も推計して公表される場合があります)

化管法とPRTRの関係(違いを整理)

PRTR制度は、いわゆる化管法の枠組みの中にあります。
現場では「化管法=PRTR」とまとめて呼ばれることもありますが、文書や判断は一次情報で確認するのが安全です。

※この記事は初心者向けの整理です。期限・罰則・定義など、断定が必要な場面は必ず一次情報(環境省・経産省等)でご確認ください。

対象となる化学物質(第一種/特定第一種)

PRTRで中心になるのが第一種指定化学物質です。
その中でも、発がん性などの観点でより注意が必要なものが特定第一種指定化学物質として扱われます。

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物質数の考え方(改正で変動・要確認)

物質数は改正で変わるため、最新は一次情報で確認してください。
参考として、環境省の案内では第一種:515物質/特定第一種:23物質と整理されている資料があります(時点により変動します)。
→ 最終判断は一次情報でお願いします。

区分ざっくり意味現場でよく出る論点
第一種指定化学物質排出量・移動量の届出対象になり得る中心カテゴリ「移動量=廃棄物委託」に紐づきやすい
特定第一種指定化学物質より注意が必要な物質(扱いが厳しめに整理されることがある)情報伝達の目安(濃度0.1%など)で登場しやすい

誰が届出する?対象事業者の条件

届出の要否は、原則として事業所ごとに判断します。
初心者向けに、よく引用される「基本の条件イメージ」をまとめます(詳細は一次情報で要確認)。

チェック項目目安(よくある整理)補足
対象業種政令で定める対象業種製造業等が中心。解体・産廃は「排出事業者側」で論点化しやすい
常用雇用者21人以上事業所単位の判断が基本
取扱量(第一種)年間1トン以上「取扱い」の定義は一次情報で確認
取扱量(特定第一種)年間0.5トン以上特定第一種は閾値が異なる整理

注意:上記は「よくある入門整理」です。実際の届出要否は、業種・工程・物質・取扱い実態で変わります。必ず一次情報でご確認ください。

何を届出する?排出量と移動量

PRTRでは、前年度分を「排出量」「移動量」に分けて届け出ます。

区分意味
排出量環境中に出た量大気、公共用水域、土壌、事業所内埋立 等
移動量事業所の外へ出した量下水道への移動、廃棄物処理業者へ委託した分

産廃・解体で重要な「移動量=委託処理」

産廃・解体の現場で“話がつながりやすい”のが、ここです。
排出事業者がPRTRの対象になっていると、
廃棄物として外へ出した分(=処理委託)が「移動量」として管理されます。

(よくある実例:匿名)

解体現場で発生した廃材の処理委託。
「含まれる化学物質の情報が不明」で、処理先から確認が入り、
見積→契約→搬入が止まった。担当者も忙しく、資料探しに1週間…。
こうした“止まり”は、情報の置き場・伝え方を決めるだけで減らせるケースがあります。

※実際の必要情報は案件により異なります。契約条件・自治体運用も含め、一次情報と処理先の要件を確認してください。

数字の出し方(算定方法)と注意点

PRTRの算定は、必ずしも「実測だけ」ではありません。
現場では、物質収支・排出係数・文献値など、妥当な方法を組み合わせて算定する考え方が紹介されます(詳細は一次情報で要確認)。

算定方法の例(イメージ)

  • 入ってきた量と出ていった量の差(物質収支)
  • 濃度×排ガス/排水量の掛け算
  • 取扱量×排出係数
  • 物性値を使った推定
  • その他、妥当な方法

初心者がつまずきやすいポイント

  • 「どの工程が対象か」を整理しないまま計算し始める
  • 資料(SDS等)の版がバラバラで、数値が揺れる
  • 担当者交代で“根拠資料の所在”が不明になる

→ ここは「事務代行/アウトソーシング」で仕組みにすると強い領域です(証憑管理・版管理・期限管理)。

「公表」と「開示」の違い

PRTRでは、集計結果の公開(公表)と、個別データの扱い(開示)が整理されます。
言葉が似ていて混乱しやすいので、必要な場面では一次情報の定義を確認してください。

【実務】情報伝達(省令改正)で何が変わる?

廃棄物処理工程での化学物質混入リスクを下げるため、
PRTR制度で把握・届出している第一種指定化学物質の情報を、
廃棄物処理業者へ伝達する整理がFAQで示されています。

電話で一番多い質問:結局「いつ」「誰が」契約書で情報伝達が必要?(FAQ 2-1の要点)

FAQの整理では、次の2つを両方満たす場合に、委託契約書における情報伝達が「対象になる」考え方が示されています。

  1. 化管法に定める「第一種指定化学物質等取扱事業者」であること(※事業所ごとに判断する整理)
  2. 主務大臣あて「移動量等を届出している第一種指定化学物質」が、排出する廃棄物に含有・付着していること

※ここは断定せず、FAQの一般整理に基づく説明です。実際の該当判断は一次情報・自治体運用・専門家の確認を推奨します。

対象になるケース(2条件のイメージ)

  • ポイントは「どんな廃棄物でも一律」ではなく、“届出している第一種指定化学物質”が廃棄物に含有・付着しているか、という整理で語られる点です。
  • 現場では、処理先から「受入れに必要な情報」を求められることがあり、WDSやSDS(旧MSDS)の所在がボトルネックになりやすいです。

1%/0.1%の目安と「未満でも必要な場合」

FAQでは、量の閾値はない旨に触れつつ、
濃度の目安として重量1%(特定第一種は0.1%)以上の整理が示されています。
また、未満でも「適正処理に必要」な場合は情報伝達が必要になり得る、という考え方も示されています。

契約・覚書・更新の考え方(FAQ 3-1 / 3-2:ここが現場の肝)

FAQ 3-1(自動更新の契約)

改正省令の施行後に自動更新がなされる契約の場合、FAQでは
「更新時に覚書を締結すること等により当該情報を伝達する」という整理が示されています。

FAQ 3-2(長期間契約/次回更新が数年後など)

次回の更新が改正省令施行後から数年後など、経過措置が長い契約の場合、FAQでは
「改正省令施行後に契約が更新されるまでは、情報伝達義務はかからない」という整理が示されています。
ただし同時に、経過措置期間であっても、第一種指定化学物質が廃棄物に含有・付着している場合は情報伝達するのが望ましい、とも整理されています。

※実務では「契約が更新扱いか(覚書・単価改定)」と「伝達のタイミング」が混線しやすいので、社内で判断フローを決めておくのが安全です。

WDS(廃棄物データシート)の位置づけ

WDSは、契約書に添付する情報提供の様式として整理されることが多いです。
「別途WDSに基づく」と契約書に書いてよい、従来シートでも必要項目を満たせばよい、などの整理がFAQで示されています。

ここだけ覚える(初心者向け)

  • 廃棄物に“何が含まれるか”は、処理工程の安全と適正処理に直結
  • 情報は「口頭」より「契約+添付(WDS等)」が強い
  • 担当者が変わっても回るように、資料の置き場・版管理が重要

現場で迷わないチェックリスト(委託契約/WDS/SDS)

チェック現場で起きがちなこと止めない対策(事務代行/アウトソーシングで強い)
契約書に情報伝達の枠があるか条項が古く、必要情報の置き場がない条項・添付の運用を整理し、テンプレ化
契約が「自動更新」か/次回更新がいつか更新タイミングを把握しておらず、直前で慌てる契約台帳(更新日・自動更新・覚書)を整備し、更新時に覚書で伝達できる形に
覚書・更新の履歴が追えるか単価改定の覚書が散らばり、最新版が不明版管理・更新日管理・保管ルールを一本化
WDS/SDS(旧MSDS)の所在担当者PCの中だけ、退職で消える共有保管+命名規則+検索性の設計
現場情報(写真/工程/数量)の整合写真不足、数量ズレ、担当者不一致で差戻しチェックリスト化+提出前点検を代行
電子マニフェスト(JWNET)と社内資料電子・紙が混在し、証憑が追えない運用設計(誰が・いつ・どこに保存)を整備

よくある質問(FAQ)

Q. PRTRは「産廃業者」や「解体業者」も必ず届出が必要ですか?

必ず、とは言い切れません。届出要否は業種・事業所・取扱物質・取扱量などで変わります。
ただ、産廃・解体の実務では排出事業者側がPRTR対象のケースがあり、委託処理(移動量)や情報伝達の話が出やすい、というのが実務上の傾向です。

Q. 「移動量」って、廃棄物処理委託に出した分も含まれますか?

一般に、事業所外へ出した分(委託処理等)が移動量として整理される説明が多いです。
具体の扱いは一次情報と算定ルールで確認してください。

Q. 【FAQ 2-1】改正で「委託契約書における情報伝達」が新たに必要になるのは、どんな場合ですか?

FAQの整理では、次の2つを両方満たす場合に、情報伝達義務の対象となる考え方が示されています。
① 化管法に定める第一種指定化学物質等取扱事業者であること(判断は事業所ごとの整理)
② 化管法において、主務大臣あて移動量等を届出している第一種指定化学物質が、排出する廃棄物に含有・付着していること
※該当判断は一次情報・自治体運用・専門家の確認を推奨します。

Q. 情報伝達の目安「1%/0.1%」は、下回ったら何もしなくていい?

FAQでは「義務はない」整理が示される一方、
未満でも処理工程に影響する等、適正処理に必要なら情報伝達が必要になり得る、という考え方も示されています。
個別案件は処理先と協議し、一次情報も確認してください。

Q. 【FAQ 3-1】改正省令の施行後に「自動更新」される契約は、どうすればいい?

FAQでは、更新時に覚書を締結すること等により当該情報を伝達する、という整理が示されています。
実務では「更新日を把握しているか」「覚書のひな形があるか」で手戻りが決まります。

Q. 【FAQ 3-2】長期間の契約で、次回更新が数年後(経過措置が長い)場合は?

FAQでは、改正省令の施行後に契約が更新されるまでは情報伝達義務はかからない、という整理が示されています。
ただし同時に、経過措置期間であっても、第一種指定化学物質が廃棄物に含有・付着している場合は情報伝達するのが望ましい、とも整理されています。
※個別案件は処理先の受入基準・自治体運用も含めて確認してください。

Q. PFOS/PFOAは情報伝達で話題になりますか?

FAQではPFOS/PFOAが第一種指定化学物質に該当する整理等が示されています。
現場の判断は扱い・由来・処理先の要件で変わるため、一次情報と処理先の受入基準を必ず確認してください。

まとめ:PRTR×情報管理を“手戻り削減”に活かす

PRTRは「化学物質がどれだけ出て、どれだけ外へ動いたか」を見える化する制度です。
産廃・解体の実務では特に、移動量=委託処理の文脈で関係しやすく、
今後は「含まれる化学物質の情報を、契約・WDS/SDSで適切に伝える」重要性が高まります。

そして、ここは事務代行/アウトソーシングが効く領域です。
資料の所在・版管理・チェック体制が整うだけで、差戻しや手戻りが減り、現場が止まりにくくなります。

参考資料

  • PRTR制度のしくみ(環境省):PDF
  • 有害廃棄物の情報伝達省令改正に関するFAQ(環境省):PDF

※上記リンクが環境によって開けない場合があります。その場合は、環境省サイト等で同名資料を検索してください。

お問い合わせ・ご相談(無料)

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株式会社ケイ・システム 代表取締役 小島啓義

監修・執筆:株式会社ケイ・システム(神奈川県大和市)/ 代表取締役
小島 啓義

「廃棄物業界をITで変える」をミッションに活動する、産廃・解体事務の専門家。
産廃処理企業での勤務時代、アナログだった社内事務をゼロから構築し、電子マニフェスト化率を5%から80%へ向上させた実績を持つ(当時の関与事例・概算)。
現場と事務の両面を踏まえ、現在は「ゴミの見える化」を実現する自動計量システム『企業の体重計®』の開発や、複雑化する産廃事務の代行・DX支援を通じ、循環型社会のデジタルインフラ構築を推進中。

免責:本記事は、産廃・解体業界の実務で起きやすい論点を整理した一般情報です。法令・運用は改正や自治体運用で変わる可能性があるため、必ず一次情報(JWNET公式・自治体・環境省等)で確認してください(要確認)。個別案件は状況により最適解が変わりますので、無料相談をご利用ください。

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