コラム

【保存5年・電子契約もOK】産業廃棄物の委託契約書とは?必須記載事項と“やりがちミス”総まとめ

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皆さん、こんにちは。ケイ・システムの小島です。
産業廃棄物の処理を外部へ委託するときに避けて通れないのが、「産業廃棄物処理委託契約書」です。
これは単なる取引書類ではなく、排出事業者責任を明確にし、不適正処理(不法投棄など)を防ぐための“法令対応の中核”になります。

  • 必須記載事項:ひな形任せで抜けやすいポイントを実務目線で整理
  • 保存5年:起算日・添付書類・更新管理の考え方
  • 電子契約OK:導入のコツ(証跡・検索性・監査対応)
  • やりがちミス:許可期限切れ/品目不一致/自動更新で事故…を防ぐチェック

※本記事は一般情報です。自治体運用・許可条件・契約形態により要件が変わる場合があります。最終判断は一次情報・専門家でご確認ください。

結論|委託契約書は「許可×品目×期限×保存」で9割決まる

迷ったら、まずこの4点だけは必ず押さえてください。

  • 許可 委託先が収集運搬処分それぞれ必要な許可を持っている
  • 品目 委託する廃棄物の種類(品目)が許可範囲に入っている
  • 期限 自動更新に頼り切らず、許可期限の更新確認ルールがある
  • 保存 契約書+添付書類を5年保存、しかも「出せる形(検索性)」になっている
実務のポイント:
産廃は「契約があるか」だけでなく、契約内容と許可内容が一致しているかが見られます。
逆に言うと、ここさえ揃っていれば、監査・立入検査でも落ち着いて説明できます。

産業廃棄物の委託契約書とは?なぜ必要?

産業廃棄物の処理を外部(収集運搬業者・処分業者)に委託する場合、委託内容を明確にした契約書を作り、保管しておくことが求められます。
理由はシンプルで、あとから「いつ・誰に・何を・どこへ・どう処理させたか」を説明できないと、不適正処理リスクが一気に上がるからです。

よくある勘違い

  • 「マニフェストがあるから契約は適当でいい」→ 契約と許可がズレると事故
  • 「ひな形を使ったからOK」→ 品目・期限・積替保管の条件がズレていることが多い
  • 「自動更新にしてるから安心」→ 許可期限切れがいちばん多い

【必須】契約前に確認すべき3つ(許可・品目・委託範囲)

1)許可:収集運搬と処分は“別許可”が原則

産廃は基本的に、収集運搬処分で許可が別です。
1社が両方の許可を持っている場合はまとめて契約することもありますが、まずは「どこまで委託するか」を分解して確認するのが安全です。

2)品目:許可証は「ある/ない」ではなく“種類が合うか”

「産廃収運の許可はあります!」だけでは足りません。
大事なのは、委託する廃棄物の種類(例:がれき類、木くず、廃プラ、金属くず 等)が許可証に載っているかです。

3)委託範囲:積替保管・再委託・最終行先がズレやすい

現場でズレやすいのが、積替保管の有無再委託(下請)最終的な行先です。
ここが曖昧だと、トラブル時に「聞いてない」「契約にない」が起きやすくなります。

委託契約書の主な記載事項(共通/収集運搬/処分)

委託契約書は自治体・業界のひな形を使うのが早いです。
ただし、“ひな形を埋めたのに事故る”原因は、許可内容と数字・品目が合っていないことです。
ここでは実務でチェックすべき「主な項目」を整理します。

区分主な記載項目(実務で必ず見るところ)よくある落とし穴
共通 ・委託する廃棄物の種類(品目)
・数量(予定でも可:月◯t程度など)
・契約期間(更新条項を入れる場合は更新方法)
・処理料金(単価/算出方法が分かる形)
・適正処理に必要な情報(性状・荷姿・混合禁止等)
・報告方法(マニフェスト等)/変更時の連絡方法(記録が残る方法)
「一式」「別途協議」だけで揉める/数量が空欄/連絡が口頭だけ
収集運搬 ・運搬先(処分施設等)
・積替保管をする場合:場所・上限量・種類・期間等(条件に合わせて)
運搬先が運搬会社住所になっている/積替保管条件が許可と不一致
処分 ・処分(再生)場所、処分方法
・中間処理後に残渣が出る場合:最終処分先情報(運用に応じて)
処分方法が実態と違う/施設名・所在地が古いまま
コツ:
契約書は“文章をきれいにする”より、許可証・現場運用・マニフェスト運用と整合しているかを見た方が確実です。

添付書類(許可証写し等)と、保存5年の考え方

委託契約書は、契約書単体ではなく、根拠となる書類(例:許可証写し)とセットで管理するのが基本です。
また保存は「いつから5年?」がよく混乱しますが、実務では契約終了日を基準に管理するのが安全です。

管理するもの具体例実務のおすすめ
契約書本体収運契約/処分契約(同一社なら一体化も)案件・取引先ごとにフォルダ固定+命名ルール
添付書類許可証写し、施設資料、再委託に関する合意書など「最新版」だけでなく、契約時点の版も残す
更新管理メモ許可期限、更新確認日、担当者更新月のタスク化(自動更新でも“許可確認”は別)

現場で多い“やりがちミス”総まとめ(チェックリスト)

まずはここだけチェックすれば、事故の大半は防げます。

  • □ 許可証の期限が切れていない(更新月の運用がある)
  • □ 委託する廃棄物の種類(品目)が許可証と一致している
  • □ 収運と処分の契約関係が整理できている(誰に何を委託?)
  • □ 積替保管の有無・条件が、許可と契約に反映されている
  • □ 契約書・許可証写し等が5年保存で「すぐ出せる」
  • □ 連絡方法が口頭だけになっていない(証跡が残る
特に多い事故トップ3
① 自動更新にしたまま「許可期限切れ」
② 品目不一致(許可に載っていない種類を委託)
③ 添付書類が散っていて「監査で出せない」

電子契約・電子保存はできる?(監査で困らない運用)

結論、要件を満たす運用にしていれば電子化は現実的です。
ただし大事なのは「紙をなくすこと」ではなく、監査・立入で説明できること(証拠力/検索性/改ざん対策)です。

電子契約で押さえる3点(これだけでOK)

ポイント意味おすすめ運用
本人性誰が締結したか説明できる電子署名(サービスの署名ログ含む)を残す
非改ざん後から書き換えていないと説明できるタイムスタンプ/改ざん検知/版管理を使う
検索性必要なときにすぐ出せる取引先名+期間+品目で探せるフォルダ・命名ルール
電子化で失敗しないコツ

  • 紙・電子が混在するなら、まず保存場所と命名ルールを統一
  • 契約書だけ電子化しても、許可証写しが紙のままだと結局詰まる → セットで管理
  • 相手先のIT耐性に合わせて「締結手順」を短くする(説明コストを下げる)

最終チェックリスト(印刷して使える)

契約前(5分で確認)

  • □ 収運・処分の許可の有無(必要分そろっている)
  • □ 委託する品目が許可証に載っている
  • □ 積替保管/再委託の扱いが運用と一致

契約後(事故を防ぐ運用)

  • □ 許可期限の更新確認ルール(更新月のタスク)がある
  • □ 契約書+添付書類を5年保存(検索できる)
  • □ 変更連絡は証跡が残る(メール等)

よくある質問(FAQ)

Q1. 委託契約書の様式は決まっていますか?
自治体や業界ひな形がよく使われます。重要なのは「ひな形を使ったか」より、許可内容・品目・期限・運用が一致していることです。
Q2. 数量は確定していないのですが書けますか?
実務では「予定数量(例:月◯t程度)」で記載し、変更が出たときの連絡方法をルール化しておくのが一般的です。
Q3. 電子契約にしたいのですが、監査で大丈夫?
ポイントは本人性・非改ざん・検索性です。電子署名や締結ログ、版管理を含めて「説明できる状態」にしておけば、運用が止まりにくくなります。
Q4. 自動更新にしていれば安心ですか?
契約の自動更新と、許可証の更新は別問題です。更新月に許可期限を確認する運用がないと事故になります。
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監修・免責
監修:株式会社ケイ・システム(神奈川県大和市) 代表取締役 小島啓義
本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、法令解釈・個別案件の適否を保証するものではありません。制度改正や自治体運用で要件が変わる場合がありますので、最新の一次情報をご確認ください。

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